記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「YouTubeに動画を10本ほど投稿しましたが、再生回数は二桁から三桁で止まったままです。もう少し続けるべきか、別の方法に変えるべきか悩んでいます」。
起業18フォーラムには、動画発信を始めて数ヶ月の会員さんから、こうした声がよく届きます。再生数の小ささに気を取られて、本来動画が果たすべき役割を見失っていることが多いのです。
YouTubeを運営するGoogle LLCの公表によれば、月間ログイン済みユーザーは20億人を超え、1日あたりの動画視聴時間は10億時間に達しています。中小企業庁の2024年版『中小企業白書』下巻でも、新たな担い手の創出として副業や兼業からのスタートアップが取り上げられており、発信メディアの選択肢として動画の比重は年々高まっています。本記事では、YouTubeを起業準備の中心に据えるときに、再生数より優先すべき設計を、起業支援の現場感覚で整理します。
YouTubeを起業準備に活かす全体像

YouTubeはストック型の発信基盤です。投稿した動画は数年後の検索結果からも見つけてもらえ、その間ずっと「あなたの自己紹介」として働き続けます。noteが文字資産だとすれば、YouTubeは表情・声・話し方を含む立体的な資産で、信用を伝える密度が一段高い媒体です。
拙著『会社で働きながら6カ月で起業する』では、SNSや動画で誰かが初めてあなたを知るときに生まれる印象を「第ゼロ印象」と呼びました。直接会う前、画面越しでの最初の出会いのことです。YouTubeはまさに第ゼロ印象が積み上がっていく装置で、登録者が増えるほどあなたの「最初の出会い」が同時並行で量産されていきます。
動画が向いている人・向いていない人

動画は文章以上に「相性」がはっきり分かれる媒体です。動き出して半年で芽が出る方と、半年経っても変化がない方の違いは、機材ではなく次の特徴で決まります。
- 声と表情で考えを伝えるのが苦にならない人
- 1テーマを30本以上の角度で語れる専門領域がある人
- 編集に1本あたり2時間程度を継続投下できる人
- 視聴者からのコメントを楽しめる人
反対に、向いていないタイプは無理せず文字発信に切り替えたほうが結果が早く出ます。
- 顔出し・声出しの心理的抵抗が大きい人
- 1ヶ月以内に成果を求める人
- テーマがまだ絞り切れていない人
向いていない人が結果を出すには、まずは音声のみのVoicyやスタンドFM、または文字発信のnoteで発信筋を作ってから動画に移るほうが歩留まりが上がります。
第ゼロ印象を作り込む3つの要素

第ゼロ印象を担うのは、特殊な機材ではなく次の3点に絞られます。
- サムネイルの一貫性(色・フォント・人物の位置)
- 冒頭15秒の自己定義(誰のために何を話す人か)
- 話し方の落ち着き(焦らずに間を取る姿勢)
サムネイルが回ごとにバラバラだと、検索やおすすめに表示されたときに「同じ人の作品」と認識されず、登録に繋がりにくくなります。
冒頭15秒の自己定義は、再生継続率に直結します。「○○の方に向けて、××についてお話しします」と最初に明言する動画は、視聴者が留まる確率が高いというのが現場の実感です。話し方の落ち着きは、専門家としての印象を一段上げる無料の演出で、台本を読み返してから録画するだけでも十分効きます。
会員Aさんの実例(日常Vlogから専門特化へ)

起業18フォーラムの会員Aさん(40代前半・女性・上場企業の人事担当・育休復帰直後・小学生子2人)は、最初の半年を日常Vlogの投稿で過ごしていました。動画20本で総再生回数は900回ほど、登録者数は19人で頭打ちでした。
転機は起業18フォーラムの勉強会でした。「動画は第ゼロ印象を量産する装置」という視点に触れ、視聴者が初めて見たときに何の専門家として記憶されたいのか、を白紙から組み直しました。修正方針は明確で、日常Vlogを停止し、自分の本業である「中小企業の人事担当者向け・採用と離職防止」に絞り込んだのです。
修正から7ヶ月目、登録者数が500人を超え、動画1本の再生回数が1,000回安定圏に乗りました。13ヶ月目に登録者1,500人を超え、関連書籍のアフィリエイト・人事向けセミナーへの送客で月4万円の発信収入を確保。本業の人事担当としての価値も上がり、社内での発信プロジェクト責任者を任されるまでになっています。
日常Vlog型の動画は資産になりにくいので、半年動かして反応が出ない場合はテーマを「特定の業種・職種・課題」に絞り直すほうが現実的です。
動画と組み合わせて効果を倍増する補完設計

YouTubeを単独で動かしている方が次に踏むべき行動は3つあります。
- 動画1本ごとに対応するnote記事を1本残す(文字検索からの流入確保)
- 毎月1本の動画は「視聴者の質問に答える回」として固定する
- 動画の冒頭・概要欄から自分のメルマガ・公式LINEに導線を作る
動画は文字検索ではヒットしづらい弱点があるので、note記事をペアで残しておくと検索流入が10倍以上に伸びるケースもあります。
視聴者質問への回答動画は、コメント欄の盛り上がりと再生継続率の両方を引き上げます。動画から自分の連絡先(メルマガや公式LINE)への導線を作っておくと、登録者数が増えたときに「動画を観てくれた個別の人」へ働きかけられる関係に育ちます。

動画は始めた直後に成果が見えにくい媒体ですが、止めずに続けていれば、ある日突然視聴者の側から見つけ出されるようになります。今日撮る1本は、半年後の自分の名刺になります。
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