起業は未経験でも大丈夫|最初の6ヶ月で結果を出した会社員がやったこと

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

「経験がないと、起業なんて無理だ」と思っていませんか? 帝国データバンクの「2023年新設法人動向調査」によると、新設された法人の代表者の平均年齢は48.4歳でした。多くの人が、長い社会人生活を経てから起業しています。

つまり、業界経験がないまま動き出した人が相当数含まれているということです。

未経験からの起業で大切なのは、スキルや知識の有無ではなく、最初の6ヶ月をどう過ごすかです。起業18フォーラムには毎年多くの会員さんが集まりますが、うまく動き出す人とそうでない人の差は、「行動の順番」にありました。

ポイント 未経験から起業した人がたどる「6ヶ月の地図」

未経験起業の成否を分ける、最初の行動の順番

アイデア

未経験で起業しようとするとき、多くの人が最初に「何を勉強するか」を考えます。しかし、勉強を終わらせてから行動しようとすると、準備が永遠に終わりません。起業18フォーラムに届く相談の中でも、「2年間勉強だけして結局動けなかった」という声は珍しくありません。

実際に未経験から動き出した会員さんに共通しているのは、勉強より先に「行動する順番」を決めていたことです。

ポイント 第1〜2ヶ月:やることを決める前に「現状を数字にする」

数字にすることで初めて見える、具体的な起業の道

インボイス

会員の田中さん(42歳・仮名)は中小メーカーの経理担当で、IT系の知識はほとんどありませんでした。妻と子ども1人の家庭で月収は32万円。「何か自分でやりたい」という気持ちはあったものの、何から手をつければいいか分からない状態でした。

田中さんが最初に取り組んだのは、「起業後に必要な最低月収」の計算です。住宅ローン・保険・食費・教育費を書き出し、最低ラインが月26万円だと分かった瞬間、「この金額を稼げる仕組みを作ればいい」という視野が開けたといいます。

拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』でも書いているのですが、漠然とした不安の正体は「準備不足」ではなく「数値化不足」であることが多いです。必要な金額が見えた途端、「問題は経験のなさではなく、目標収入への道筋がないことだ」と整理できるようになります。

第1〜2ヶ月にやること

  • 起業後の「最低必要月収」を計算する(固定費を一つひとつ書き出す)
  • 自分が提供できるサービスの候補を3〜5個書き出す
  • 候補ごとに「誰が払うか」「いくら払うか」を仮で設定する

事業計画書も資格も、この段階では必要ありません。田中さんも「A4用紙1枚に書き出しただけで、次のステップが見えた」と話しています。

ポイント 第3〜4ヶ月:「最初の1人に喜ばれること」だけに集中する

今持っているもので動き出す、最初の一歩の踏み方

カウンセラー起業

田中さんがこの時期に陥りそうになったのが、「もう少し勉強してから動こう」という先送りの罠でした。最初の2ヶ月でYouTubeや書籍に時間を使いましたが、学べば学ぶほど「まだ足りない」という感覚が強くなっていったといいます。

転機は、知人の小売店主から「在庫管理のエクセルが煩雑で困っている」という相談を受けたことです。「エクセルなら使える」と思い、無料でサポートしてみました。結果として翌月、その方から紹介をもらい、初めて1万円の報酬を手にしました。

「未経験」というのは、提供できるものがゼロという意味ではありません。今持っているもので、目の前の人の困りごとを解決できるかどうかです。

日本政策金融公庫の「2023年度起業と起業意識に関する調査」では、パートタイム起業家の52.6%が「起業費用ゼロ」と回答しています。特別な設備や資格なしに動き出している人が多くいる事実は、「何かを揃えてから」という思い込みを崩してくれます。

第3〜4ヶ月の優先順位

  • 知っている人に「こんなことで困っていないか」と一声かける
  • 最初のサービスは「喜ばれたこと」から発展させる
  • SNSや名刺作りより、まず1対1の関係を1件積み上げる

売り上げの大小より、「誰かに喜ばれた事実」を積み上げることがこの時期の正しい成果です。あなたの今の経験やスキルで、喜んでもらえる人はいませんか?

ポイント 第5〜6ヶ月:「続けるか・見直すか」の判断基準を持つ

6ヶ月目に問う、続けるか見直すかの判断基準

帳合い

6ヶ月目に入る頃、多くの人が「これで合っているのか」という問いにぶつかります。少し収入が出ているが伸びない、何人かに喜ばれたが継続につながらない。そんな状態で「このまま続けるべきか」と迷いが生まれます。

この段階での正しい問いは「やめるべきか」ではなく「何を変えるべきか」です。

拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』でもこう整理していて、「続けるかやめるかだけ」に向き合える人が、最も早く前に進んでいます。改善しながら続けた先に成果が出るポイントが存在し、やめた人にはそのポイントが永遠に訪れません。

田中さんは第6ヶ月目に、エクセル整理と業務効率化のサポートが月に5件、月5万円ほどの収入になりました。「再現できている」という手応えを掴んだ田中さんは、来年度中の独立を具体的に検討し始めています。

日本政策金融公庫の「2023年度新規開業実態調査」では、開業費用が250万円未満だった事業者が全体の20.2%存在します。大きな初期投資がなくても、起業を実現している人はたくさんいます。

第5〜6ヶ月の見直しポイント

  • 月に何件・いくら稼いでいるかを記録する
  • 「また頼みたい」と言われた案件はどれかを確認する
  • 繰り返せる案件を「型」として言語化する

起業は未経験でも始められます。大切なのは、最初の6ヶ月を「知識を積む時間」ではなく「喜ばれた事実を積み上げる時間」として使うことです。

「未経験だから準備してから」という言葉は、多くの場合、動き出しを先送りにするための言い訳になっています。今あるもので動き始め、反応を見て、続けるか見直すかを判断する。その繰り返しが、6ヶ月後の手応えをつくります。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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