2026年に副業に関する法律が変わると聞きましたが、会社員として何が変わるのですか?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

会社員として起業準備を進めているのですが、2026年に副業・兼業に関する法律が変わるという話を聞きました。具体的に何がどう変わるのか、会社員として知っておくべきことを教えてください。

また、法律の変化は起業準備にどう影響するのかも気になっています。正確な情報が分からず、ネットの情報も混乱していて困っています。

質問

● 回答

まず正確な現状をお伝えします。「副業の割増賃金(残業代)算定における労働時間通算ルールを廃止する」という改正の方向性は確かに提案されています。ただし、2025年12月23日に改正法案の通常国会への提出が見送られました。見送りの主な理由は、2025年10月に就任した高市早苗首相が厚生労働大臣に「労働時間規制の緩和検討」を指示したことで、それまで審議会が進めてきた「規制強化」の方向性と対立し、調整がつかなくなったためです。現時点(2026年4月)では、この改正はまだ施行されていません。

「改正されると何が変わるか」を先に理解する

現行の制度では、会社員がA社(本業)とB社(起業準備先)の両方で働いている場合、両社の労働時間を合算して計算する仕組みがあります(労働基準法第38条第1項)。この通算が残業代の算定に影響し、企業側の管理負担になっていました。

改正案では、割増賃金(残業代)の計算においては、各会社が自社の労働時間だけを基準に計算する仕組みに変更されます。これにより企業の管理負担が減り、会社員がより自由に複数の仕事を持ちやすくなると期待されています。

ただし注意が必要です。「健康確保のための労働時間管理」は引き続き維持される方向です。法改正後も企業は本業・副業全体の労働時間を把握し、長時間労働による健康障害を防ぐ義務を引き続き負います。廃止されるのは割増賃金の算定における通算のみであり、健康管理上の通算は残ります。

  • 現状(2026年4月時点):改正法案の通常国会提出は2025年12月23日に見送り済み
  • 見送りの理由:高市政権による「規制緩和」方針と、審議会の「規制強化」案との調整が不調に終わったため
  • 改正の方向性:割増賃金の算定における労働時間の通算義務を廃止し、各社が自社分のみで計算
  • 健康確保のための管理は継続される予定
  • 施行時期:現時点では未定。今回の見送りは「廃案」ではなく「延期」であり、最短でも2027年以降の見通し。最新情報は厚生労働省の公式サイトを確認
就業規則の確認は法改正より先に必要

法律の改正がどう進んでも、会社員にとって先に確認すべきことがあります。それは、勤務先の就業規則です。

労働法上、会社員の副業を禁止する法的根拠はなく、「副業禁止」を就業規則で一律に定めることは難しくなってきています。ただし、就業規則で「事前申請・届け出」を求めている会社は引き続き多いです。法改正を待って動くより、就業規則の確認を先に行うことが重要です。

就業規則の確認ポイントは「副業・兼業の禁止か届け出制か」「競業避止条項があるかどうか」「会社の顧客情報・技術情報の取り扱い」の3点です。

今すぐできる確認リスト

  • 就業規則の「副業・兼業」「競業避止」の項目を確認する
  • 不明な場合は労務担当部署か専門の社労士に相談する
  • 法改正の最新情報は厚生労働省のWebサイトで確認する

法律が変わることは、起業準備を後回しにする理由にはなりません。今回の見送りは改正の「廃案」ではなく「延期」です。法改正を待つ必要はなく、就業規則の範囲内で今からできる準備を着実に進めることが大切です。

法律の動向は確認しつつも、起業準備で今すぐ変えられることは就業規則の確認と、在職中からできる準備を始めることです。環境の変化を待つより、動ける範囲で動くことが最も確実な方法です。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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