記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
メルカリやヤフオクで本や服を売ったり、ハンドメイド品や転売で稼いだりした場合、どこからが確定申告の対象になりますか? 不用品販売と起業準備としての販売は、何が違うのでしょうか?

● 回答
確定申告が必要になるかは「利益目的の販売かどうか」と「年間の所得額」の2軸で決まります。クローゼット整理の不用品なら原則非課税、利益目的の仕入れ転売やハンドメイドは会社員で年間20万円超・主婦や個人事業主で年間48万円超から確定申告の対象になります。
判断の根拠は国税庁タックスアンサー No.1465(生活用動産の譲渡所得は非課税)と、所得税法第27条・第35条(事業所得・雑所得の区分)です。境界線で迷う典型的な3パターンを、起業18フォーラムの支援現場から具体例とともにお伝えします。
パターン①:クローゼット整理から始まり徐々に仕入れに転換
32歳の会社員Aさん(事務職)は、最初は子ども服のクローゼット整理から出品を始めました。3ヶ月目までは月1〜2万円の不用品処分。これは国税庁が示す「生活用動産の譲渡」に該当し、確定申告は不要です。
ところが4ヶ月目から「同じ服を仕入れて売れば利益が出る」と気づき、フリマで仕入れて出品する手法に切り替えました。6ヶ月目には月12万円、12ヶ月目には月22万8千円。ここで明確に「営利目的の継続販売」となり、雑所得として確定申告の対象になります。
Aさんの転機は、12ヶ月目に税務署へ事前相談に行ったことです。「いつから事業性が認められたか」を時系列でメモに残し、青色申告承認申請書を翌年分から提出する判断ができました。結果として、開業届と青色申告で65万円控除を受けられる体制を整えています。
パターン②:ハンドメイド品の販売は最初から営利目的
主婦のBさんは、もともと趣味で作っていたアクセサリーをメルカリで販売開始しました。ハンドメイド品は最初から「営利目的の生産販売」として扱われるため、不用品販売の例外(非課税)にはあてはまりません。
判定基準は所得税法第27条の事業所得、または第35条の雑所得。Bさんの場合、給与所得がない主婦なので、年間所得48万円(基礎控除額)を超えると確定申告が必要です。材料費・手数料・送料を経費として差し引いた後の所得で判定します。
Bさんは初年度の年間所得が34万8千円だったため、確定申告は不要でした。ただし住民税は別ルールで、所得が一定額を超えると居住地の市区町村に申告が必要になる場合があります。この点は税理士相談で確認が必要です。
パターン③:高額品の単発売却は「譲渡所得」になる可能性
50代の男性Cさんは、若い頃に購入した腕時計(売却額48万円)をメルカリで売却しました。1点あたりの売却額が30万円を超える貴金属・骨董品・美術品・宝石・書画・コレクション品は、生活用動産の非課税ルールから外れ、譲渡所得として課税対象になります。
譲渡所得は「売却額-取得費-50万円(特別控除)」で計算され、Cさんのケースでは取得費が分かれば課税所得はほぼゼロでした。ただし車・バイクの売却は「通勤・生活用」と「事業用」で扱いが変わるため、特に注意が必要です。
- 会社員:
給与所得以外の年間所得が20万円超で確定申告が必要 - 主婦・学生・個人事業主:
年間所得が48万円(基礎控除額)超で確定申告が必要 - 30万円超の高額品:
単発でも譲渡所得として課税対象になる場合あり - 住民税:
所得税が不要でも住民税の申告が必要なケースあり
起業準備として始めるなら早めの判定が重要
支援現場で見ていて多いのが、「不用品販売のつもりがいつの間にか転売になっていた」という気づきの遅れです。拙著にも書いたのですが、起業準備で大事なのは「ストック」と「フロー」の切り分け。クローゼットの不用品は使い切れば終わるストック、仕入れ転売は継続するフローです。このフロー化のタイミングで税務処理を切り替える判断が必要になります。

判断に迷ったら、地域の税務署が無料で実施している事前相談を活用してください。「将来事業化するつもりか」「現在の出品の何割が仕入れ品か」を事前にメモして持参すると、明確な助言がもらえます。
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