ミドル層向けの求人が増えているというニュースを見ました。それでも起業を選ぶべきですか?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

転職コンサルタントの81%が「2026年はミドル求人が増える」と予測しているというニュースを読みました。50代の私にとっては「転職のチャンス」という気がして、転職活動を考え始めています。

ただ、知人から「転職より起業のほうがいい」と言われて迷っています。ミドル向け求人が増えているのに、なぜ転職より起業を勧めるのでしょうか?

質問

● 回答

「ミドル求人が増えている」は本当です。ただ、そのニュースには続きがあります。50代の転職者は、転職後に年収が平均4.5万円下がっています(マイナビ「転職動向調査2026年版」)。

ミドル求人増加の「続き」を読む

転職コンサルタントの81%が「ミドル求人は増える」と予測していますが、同調査では求人が集中しているのは「40代前半」「課長クラス」だということも示されています。

「ミドル求人増加」の注意点

  • 求人が増えているのは主に40代前半・課長クラス
  • 50代後半・役職なしへの恩恵は限定的
  • 30代の転職後年収+32.4万円に対し、50代は-4.5万円(マイナビ調査)
  • 「即戦力+周囲と協働できる力」が求められ、年功序列型の経験では通用しにくい

「ミドル求人が増えている」という情報は正しい。でも「50代の自分に当てはまる求人が増えている」とは限らない。ここを分けて考えることが重要です。

転職と起業、何が違うのか

転職は「雇用主を変えること」です。別の会社に雇ってもらうという構造は変わりません。

起業は「自分が雇用主になること」を目指す準備です。会社員の安全ネットを持ちながら、別の収入の柱を育てていく。

50代で転職した場合に何が起きやすいかを考えると、まず年収が下がりやすい。そして新しい職場での信用を再構築する必要がある。定年が近いため、長期のキャリア形成がしにくい。

転職は「会社を変える」ことですが、構造は変わりません。起業は「収入の構造そのものを変える」ことです。ミドル求人の増加は「転職しやすくなった」という話であって、「転職が最適解になった」という話ではありません。

会社員のまま起業を選ぶ理由
50代が「転職より起業」を選ぶメリット

  • 今の給与・福利厚生を維持しながら収入の柱を育てられる
  • 失敗しても元の生活に戻れる安全ネットがある
  • 定年後も継続できるビジネスを在職中から設計できる
  • これまでの業務経験・人脈を直接活かせる

「転職か起業か」は二択ではありません。「会社員のまま起業準備を進め、ある程度収入の見通しが立ってから転職や独立を判断する」という順序が、50代には最もリスクが低いです。

26年間の支援経験から言うと、50代で転職を選び後悔したケースの多くは「年収が下がって生活設計が狂った」「新しい職場での立場が不安定だった」というものです。会社員のまま起業準備を進めていた人は、そのリスクを回避できています。

よくある質問

Q.転職活動と起業準備を並行して進めることはできますか?

できます。ただし、どちらも中途半端になるリスクがあります。転職活動に本腰を入れる場合は、起業準備を一時停止するか、分けて時間を設定することをお勧めします。

Q.50代での起業は現実的ですか?

十分現実的です。むしろ50代は専門性・人脈・経験という起業に必要な資産が最も蓄積している時期です。若さで勝負する必要はありません。

転職か起業か、個人の状況によって最適な答えは変わります。具体的な状況を一緒に考えていきましょう。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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