老後資金はインフレで3000万円に膨らんだ|「投資だけ」では足りない理由と起業準備の正解

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

「老後2000万円問題、もう解決した気になっていませんか?」定年後に必要なお金の話を聞くたびに、なんとなく不安になって、それでもなんとなく後回しにしてしまう。そういう人は、実は多いのです。数字が大きすぎて現実感がわかないのが正直なところでしょう。

ただ、2026年の今、状況は変わっています。「2000万円」という数字そのものが、もう古くなっているのです。

ポイント 「老後2000万円」はインフレで過去の数字になった

インフレで膨らんだ老後の必要額の現実

悩み

2019年の試算と2026年現在のギャップ

2019年に金融庁の報告書が発端となった「老後2000万円問題」は、高齢夫婦無職世帯が月5.5万円の赤字になるという試算をもとにしていました。30年間でおよそ2,000万円が不足するという計算です。

しかし2024年の総務省家計調査では、この赤字幅は月3.4万円に縮小しています。「あれ、意外と大丈夫じゃないか」と思う人もいるかもしれません。ここが落とし穴です。

インフレを加味すると、夫婦世帯では3,200万円の備えが必要になるという試算が出ています(インフレ率3%換算、野村アセットマネジメント等の試算より)。物価が上がれば、月の赤字額も雪だるま式に膨らみます。「今の赤字が3.4万円だから安心」というのは、今の物価が続く前提でしか成り立たない話です。

老後資金の試算(2026年時点)

  • 2019年当初試算:月5.5万円赤字 → 30年で約2,000万円不足
  • 2024年最新調査:月3.4万円赤字 → 30年で約1,200万円不足
  • インフレ3%加味(夫婦世帯):30年後の必要額は約3,200万円規模
  • インフレ2%継続の場合:20年後に約3,000万円が必要という試算も

問題は「投資か節約か」という次元の話ではなく、そもそも収入の流れ(フロー)をどう設計するかという発想の転換にあります。

ポイント 「貯める」思考から「流れをつくる」思考へ

ストック思考の限界とフロー発想の転換

計算

バケツではなく、蛇口を増やす

多くの人が「老後のお金=貯めるもの(ストック)」と考えています。老後2000万円、3000万円を目標に積み立て、定年時にそのバケツが満タンになっていれば安心というイメージです。

ところが、このバケツ思考には決定的な弱点があります。バケツは使えば減ります。インフレになれば実質的な価値が目減りします。老後の期間が予想以上に長くなれば、底をつきます。

私が26年間で60,000人以上の起業準備に向き合ってきた中で気づいたのは、定年後も安定している人のほとんどが「複数の収入の蛇口」を持っているということです。

蛇口が流れ続ける限り、バケツが空になることはありません。小さな蛇口でいい。月3万円、月5万円でも構いません。それが継続的に入ってくる仕組みがあるだけで、老後の不安の質がまるで変わります。

収入の蛇口を持った人と持たない人の違い

  • 蛇口あり:月5万円の収入が続くだけで、30年間で1,800万円の流れになる
  • 蛇口なし:資産を取り崩し続け、底を心配しながら生活する
  • 蛇口あり:「何かあっても稼げる」という安心感が精神的余裕を生む
  • 蛇口なし:節約に意識が向き、人生の質が落ちていく

では、その「蛇口」はどうやって作るのでしょうか。

ポイント 会社員のまま起業準備を始める人が増えている理由

平均43.6歳が起業する時代に会社員の優位性

コンサルタント

日本政策金融公庫が示した「起業の現実」

日本政策金融公庫の「2024年度新規開業実態調査」によると、起業者の平均年齢は43.6歳で、40代が37.4%と最も多い年齢層でした。「若い人が起業する」というイメージは、すでに現実とは違います。人生経験を積んだ会社員こそが、起業の主役になっているのです。

起業18フォーラムの受講者の中にも、40代・50代での起業準備スタートが多く、在職中に月5万円〜月10万円の収入の柱を作ることができた方がいます。詳しくは 起業アイデア実例集 でご確認ください。

会社員のままで起業準備を始めることには、じつは大きな優位性があります。

会社員のまま始める3つの強み

  • 失敗しても生活が守られる(月給という安全ネットがある)
  • 本業の信用と人脈を活かして最初の顧客を獲得しやすい
  • 小さく始めて改善する余裕がある(失敗コストが低い)

「辞めてから本気でやる」を選んだ人よりも、会社員のまま準備を始めた人のほうが、長期的にうまくいくケースが多い。これが26年間の現場から見えた現実です。

ポイント 「始める年齢」より「始めない時間」のほうが怖い

時間の非可逆性と最初の一歩の意味

point
老後が不安だと感じているなら、その不安は正しい感覚です。ただ、不安を感じながら何もしないのが最もリスクの高い選択だということも、同時に理解しておく必要があります。

準備を始める年齢より、始めない時間が積み重なることの方がずっと怖い。これは26年間で何千人もの起業相談を受けてきた中で、繰り返し目にしてきた光景です。「もっと早く始めればよかった」という声は聞いても、「早く始めすぎて後悔した」という声は一度も聞いたことがありません。

老後の不安を解消する最短ルートは、今日から小さく始めることです。大きな事業計画は要りません。まず「自分に何ができるか」を棚卸しするところから。その1歩が、10年後の景色をまったく変えます。

一緒に、次の一歩を考えてみましょう。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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