記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
屋号って何ですか? 雅号やブランド名との違いは何ですか?

● 回答
屋号(やごう)とは、会社(法人)が付ける商号(いわゆる会社名)とは異なる、個人事業の「名前」のことです。雅号(がごう)とは、芸名やペンネームのことです。個人の名前ではなく事業に名前を付けて、その名前(屋号または雅号)で活動することができます。
屋号(又は雅号)とは、個人事業者の方が使用する商業上の名のことです。よって、個人事業者の方においては、商店名等を入力してください。
(参考)税務署に提出する個人事業の開業・廃業等届出書にも屋号欄があります。雅号とは、著述家、画家、書家、芸能関係者などが本名以外につける別名のことです。
国税庁「屋号・雅号の入力について」より引用
屋号・雅号・ブランド名の三角形を整理する
ネット上には屋号と商号の違いを解説する記事は多いですが、屋号・雅号・ブランド名の三者を同時に整理しているものは少なく、混同が起きやすいポイントです。
まず整理するとこうなります。屋号は確定申告書に記載する「事業の名前」(例:〇〇制作室)、雅号は画家・著述家・書家などが本名の代わりに使う「創作活動上の別名」(例:雪舟・若冲)、ブランド名は商標登録を伴うことが多い「商品・サービスラインの名前」(例:吉野家・ユニクロ)です。
「株式会社すかいらーくレストランツのジョナサン」のように、会社名(商号)とブランド名が全く異なる場合もあります。一方で「吉野家」のようにブランド名と屋号・商号が一致するケースもあります。起業初期の個人事業主が最もシンプルに使えるのは「屋号=ブランド名」として一本化する方法です。
屋号を持つことが信用の第一歩になる理由
拙著『起業神100則』の中で、信用は「名前を覚えてもらうところから始まる」という趣旨を書いています。個人名だけで活動することは悪くありませんが、屋号を持つことで「事業としての存在感」が生まれ、顧客・取引先との関係が少し変わります。
起業18フォーラムの会員Bさん(32歳・フリーランスデザイナー・東京在住)は、受注活動を1年間、個人名だけで続けていました。クライアントが個人と会社のどちらを選ぶかの場面で「会社らしくない」との理由で機会を逃すことが続いたそうです。
起業18フォーラムのセミナーで「屋号ひとつで名刺・請求書・銀行口座が整う」と学んだことをきっかけに「B Design Studio」という屋号を設定。確定申告書と開業届に屋号を記載し、屋号付き口座を開設しました。
その後半年で、法人クライアントからの問い合わせが月に2〜3件増え、単価も平均15%ほど上がったとBさんは言います。屋号を持ったことで「個人への発注」から「事業者への発注」というクライアントの認識が変わったのが主な理由でした。
ブランド名を守るなら商標登録を検討する
屋号は法的な登録が不要ですが、ブランド名として使う場合は特許庁への商標登録を検討することが重要です。
屋号は税務署への届出書類に記載するだけで使えます。一方、ブランド名として第三者に使われたくない場合や、全国展開・EC販売を考える場合は、特許庁への商標登録を検討します。商標登録出願の出願料は、2026年時点で「3,400円+8,600円×区分数」が基本です。特許庁のデータベース「J-PlatPat」で同一・類似の商標が登録済みかを事前に確認することができます。
屋号の場合、金融機関などで屋号付き口座を開設する際に確認されることがありますが、登録の強制はなく、信用の積み上げが優先です。まず「屋号を事業の看板として一本決める」ことが、信用を積み上げる出発点になります。

今日できることは、確定申告書の屋号欄と開業届に記載する事業の名前を一本に絞ることです。ペンネーム感覚で雅号を使う方も、税務署への届出には「雅号(または屋号)」として記載する欄があります。
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