「東京」で起業する時に備えるべき嬉しい3つのサポート

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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東京はマーケットが大きく、サービスを展開する時にも、多くの分野でたくさんの顧客を得ることができるというメリットがあります。

しかし、裏を返せば、起業しやすい分それだけライバルたちもひしめいていて、企業として生き残るのはとても大変・・・。

そして、都内にオフィスを構えたり、有能な人材を雇ったりするためには、それに見合った対価を支払わなければなりません。
 

東京
 

東京のオフィス賃料は他の場所と比べると高く、人件費もそれなりにかかってしまうのは言うまでもないことですよね。東京で起業する際のデメリットに上手く対処し、事業を軌道に乗せていくためには、周囲からのさまざまなサポートが欠かせません。
 

ポイント 「金銭面」でのサポート

東京で起業する時にあると嬉しいサポート

東京
 

東京都の行政・関連団体による融資・助成制度の利用

東京都では2014年に策定した「東京長期ビジョン」に基づき「おおむね10年後までに実現すること」として都内の開業率を10パーセント台(米国・英国並み)にする目標を掲げ「東京発・世界を変えるベンチャーの創出」や「幅広い層による多様な起業の創出」を目指すとしています。

上記の目的を達成するために、現在、都内では行政やその関連団体によるさまざまな創業・起業支援が行われており、起業家向けの融資・助成制度も多数用意されています。

無担保かつ経営サポートを無料で受けられる起業家向けの融資、女性や若者、あるいはシニア、特定の性別・世代の起業家に向けた融資など、さまざまな融資プランがあり、スタートアップ時の資金調達を強力にサポートしてくれるので、大変心強いですね。

具体的な例としては、東京都中小企業振興公社が、社会的課題の解決に繋がる事業内容での起業や今後の創業のモデルとなるような事業を核とする起業に対して「創業助成金」制度を設けてサポートを行っているというものがあります。

この助成を受けるには審査が必要となりますが、事業資金の三分の二、最大300万円までの助成を受けることが可能になりますよ。

こうした助成金を利用していくことで、資金調達の困難を解消していくことができます!
 

親族や友人たちからの出資

創業資金を得る場合、親族や友人、あるいは同僚たちから出資を受けるという選択肢もあります。この手法は、金融機関と比べると簡単な手続きで資金を調達できたり、資本が素早く手に入ったりするなどのメリットがあります。

海外では、エンジェル投資家(※創業間もない企業に多額の資金を投資する投資家のこと)が投資するよりも多い金額が、親族や友人によってスタートアップに投資されているという報告も。

ただし、ご想像できるかと思いますが、これは自分から出資を募った場合、大切な人間関係を決定的に壊してしまう可能性もあるので注意が必要です。出資を募る際は、あとで困ったことにならないように事業の内容やリスクについて、細部までしっかりと伝えておく必要があるでしょう。
 

ポイント 「業務面」でのサポート

東京で起業する時にあると嬉しいサポート

東京
 

数字に強い専門家のサポート

潤沢な資金があれば良いのですが、起業直後は基本的に、自分でできることは自分で行うなどして余計な出費を抑えるべきです。

ですが、それにも限界がありますよね。自分自身のスキルでは対応できない業務が発生したり、時間的に余裕がなくなってしまったりなど理由はさまざまですが、そんな時は専門家や周囲の人々のサポートを受けるべきです。

たとえば、創業する際、いくら営業力や技術力があっても、財務を読み解くことができなければ、会社を経営することはできません。「自分は営業力(技術力)があると自負しているけど、財務はちょっと・・・」という人は意外と多いのです。

財務に自信が無い起業家の方は、数字に強い公認会計士や税理士などのブレーンを持っておくべきだと言えるでしょう。創業支援を行っている税理士事務所には、比較的安価な顧問料で記帳を代行するサービスなどを提供しているところもあります。

そうした、自分の足りない分野を上手く補い、事業を回す体制づくりは非常に重要です。
 

今まで関わってきた人たちのサポート

業務面でサポートしてくれるのは、何も専門家だけではありません。親しい友人たちにプレゼンの仕方を教えてもらったり、準備を手伝ってもらった人もいますし、元同僚の人脈で顧客を紹介してもらった人もいます。

会社員時代の取引先がそのまま自分の会社の取引先になる、ということも事例として多くあります。パートナーが経理や雑務を担当している、ということも珍しくありません。

こうした協力は基本的に無償のものも多く、起業時には非常にありがたいものとなるでしょう。
 

ポイント 精神面でのサポート

東京で起業する時にあると嬉しいサポート

東京
 

行政や起業支援サービスによる仲間づくり

2021年度版「中小企業白書」を見ると、日本の開業率は4.2%で、欧米諸国と比較すると圧倒的に低いのが現状です。(データ参考:「2021年度版 中小企業白書」(PDF19ページ)

日本は、海外と比べると起業を考えている仲間を見つけにくく、行動を起こす人も少ないと言える環境です。こうした環境のなかで、起業家マインドを育成し、創業までのモチベーションを保つのは正直難しいかもしれません。

起業をする際、多くの困難に直面することになります。相談したいことがあっても、相談する適切な相手を見つけられず、悩みを一人で抱え込むことになってしまうことも。

そんな時に心強いサポートを提供しているのが、行政・関連団体と、起業支援を専門とした民間サービスです。この2つのサービスでは、起業を1から教えてもらえることに加え、専門家に起業に関する悩みを聞いてもらえたり、オンラインサロンなどで起業家同士の横の繋がりを作ることができたりします。

こうした場を積極的に活用して、メンターや起業仲間を手に入れることで、起業・経営に関する知識やノウハウを得ることができるだけでなく、よりよい精神状態で起業に臨むことが可能になります。
 

家族や友人が起業家の精神に与える影響

家族のいる起業家にお話を聞くと「家族のいない起業家が羨ましい」という声をよく聞きます。家族がいると、自分の事業に集中する時間がどうしても取られてしまうせいでしょう。そのため、起業に集中できる独身の起業家を、羨ましく思ってしまうようです。

熾烈な競争が繰り広げられる東京での起業では、まさに一分一秒が勝負の時となります。

子供がいれば学校への送り迎えもあるでしょうし、家事や洗濯なども分担でやらなければ、パートナーとの関係にひびが入ってしまう可能性もあります。家庭と起業の両立は非常に重要な課題といえます。

しかし、最近の研究では、家族が起業家にポジティブな影響を与えることもわかってきました。家族の存在は、起業家に精神的な安心感やモチベーションを与えます。

気心の知れた友人たちとの会話もまた、家族とは違うところで精神をリラックスさせ、再び自分の事業に向かう英気を養うきっかけとなります。家族や友人たちの存在も、起業家にとっては心強いサポートを提供してくれるのです!
 

ポイント 支えてくれる人たちに目を向けて起業を成功させる環境を!

東京で起業する時にあると嬉しいサポート

東京
 

今回は、「金銭面」「業務面」「精神面」から、起業家にあると嬉しいサポートをご紹介しました。

起業をした直後は「人生で最もハードに働く時期」だと言われています。事業を軌道に乗せ自社を成長させていくためには、顧客の新規開拓や商品開発のみならず、日々突発的に降りかかってくる数々の問題に適切に対処し、顧客の信頼を得て、経営を安定させなければなりません。

このような日々を生き延びていくためには、肉体的にも精神的にもある程度のタフさが求められます。しかし、時には肉体的にも精神的にも追い込まれてしまうことだってありますよね。

そんな時のためにも、起業をする際は行政や起業支援サービス、あるいは家族や友人たちといった、支えてくれる人たちから必要なサポートを受けられるように準備しておきましょう!


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。


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