6万円の情報商材をどうしても買いたいのですが、どう思いますか?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

ココナラで気になる情報商材を見つけました。6万円とかなりの高額ですが、「誰でも稼げるノウハウ」と書かれていて、どうしても買ってみたい衝動が抑えられません。

買うべきか迷っているのですが、どう思いますか?

起業前質問集

● 回答

買うのは自由ですが、おすすめはしません。後悔する確率が極めて高いからです。「誰でも稼げる」という言葉ほど、起業準備中の方が距離を取るべきフレーズはありません。

国民生活センターのPIO-NET集計でも、情報商材をきっかけに高額な副業コンサルティングや継続契約の勧誘を受けたという相談が継続的に寄せられています。「数十万円のPDFを買ったが内容が薄い」「LINE登録後に追加購入を迫られた」といった声が後を絶ちません。これは私が支援している会員さんの中でも、過去に同じ落とし穴にハマった方を何人も見てきた領域です。

ここでは「なぜ買いたくなるのか」「買う前に確認すべき3つの基準」「買う代わりに何に投資すべきか」をお伝えします。

なぜ「6万円ならアリかも」と思ってしまうのか

多くの方は「6万円ならスクールに通うより安い」「失敗しても学びになる」と自分を納得させます。しかし、これは行動経済学でいう「サンクコスト効果の前段階」、つまり高額を払うことで自分の判断を正当化したくなる心理が働いている状態です。

拙著『会社で働きながら6カ月で起業する』に「知・人・金」という考え方が出てきます。起業準備の最大の敵は「金」のチカラを偏った方向に使ってしまうこと。6万円という金額は、まさに「金」のチカラを誤った場所に流す典型的な金額帯なのです。

  • 「誰でも」「絶対」「不労所得」といった断定表現
  • 販売者の本名・実績が確認できない
  • 購入後にLINE登録や追加コンテンツへの誘導がある構成
  • レビューが極端に高評価ばかりで批判的な声がない
  • 「今だけ」「残り○名」と煽る販売ページ

これらのうち2つ以上に当てはまる商材は、ほぼ間違いなく購入を見送ったほうが安全です。

買う前に確認すべき「3つのチェック」

それでも判断に迷うときは、次の3つを冷静に確認してみてください。

  • 販売者の素性チェック:実名・SNS・過去の発信履歴が確認できるか
  • 具体性チェック:商材の目次・サンプル・返金条件が明示されているか
  • 必要性チェック:その情報がなければ、自分のビジネスは進められないか

特に「必要性チェック」は重要です。多くの場合、その情報は無料の書籍・公的機関の資料・先輩起業家のブログで十分カバーできます。6万円の商材を買う前に、まず近くの書店で類似テーマの本を3冊読み比べてみてください。

会員Nさんが6万円商材で学んだ教訓

ここで会員Nさんの事例をお話しします。

Nさんは自己流(無手勝流)で起業準備を始めた40代前半のシステムエンジニアでした。当時は「会社員のままで何かを変えたい」という焦りから、ネット広告で見つけたFX系の情報商材を3万円で購入。中身はYouTubeで無料公開されている内容の寄せ集めで、追加で19万円のコンサルへの誘導があり、ここで初めて「これは怪しい」と気づいたそうです。

失った金額と時間を取り戻したいと考え、起業18フォーラムに参加されました。勉強会で「金の使い方は知識より人脈に投じたほうがリターンが大きい」と学び、商材代を諦めて会員交流会・テーマ別勉強会に投資する方針へ修正。本業のIT知識を活かした業務改善コンサルを準備し、3年目には月収25万円を超え、現在は会社員を続けながら個人事業として安定した収益源を確保されています。

Nさんがおっしゃるのは「あの6万円は、自分の判断軸が育っていない時期に払う授業料としては高すぎた」という言葉。6万円を払うなら、その同じ金額を「同じ志を持つ人と会う場」「自分の専門領域を深める書籍購入」「実際に売ってみる小さなテストマーケティング」に分散投資したほうが、リターンは何倍にもなります。

「誰でも稼げる」が成立しない構造的な理由

そもそも「誰でも稼げるノウハウ」が本当に存在するなら、それは秒速で広まり、半年後には誰も稼げなくなります。情報商材ビジネスが成立しているのは、「ノウハウを売る側」が常に「ノウハウを買う側」より儲かる構造になっているからです。

中小企業庁の中小企業白書で示されてきた集計では、開業から5年で生存している企業は約8割とされていますが、生存と成功は別物。実際に黒字経営を続けている割合はもっと低く、その差を埋めているのは「マーケットを読む力」「顧客を継続させる力」など、PDFで学べない領域なのです。

情報商材を売って起業できる? マニュアル一発売りが消えた理由
● 質問 情報を売ることで起業したいと考えています。会社員で残業も多く忙しいので、元手のかからないこれくらいし

もし今、その6万円を出せる経済的余裕があるのなら、ぜひその金額を「人と会う費用」「実際に小さく売ってみる費用」に振り向けてみてください。情報を消費する側から、情報を発信する側へ立ち位置を変えるだけで、見える景色は大きく変わってきます。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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