記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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岡山で起業を考えている方は、地元の伝統産業や交通の便の良さに魅力を感じているかもしれません。
岡山は山陽新幹線と瀬戸大橋線が交差する中四国の結節点で、晴れの日が多く農業ブランドも豊富な土地柄です。一方で「どこに相談すればよいのか」「会社員のまま準備する手順は?」と迷うところもあると思います。
今日は岡山で起業する手順と地域特有の支援先を整理して、無理なく一歩を踏み出すための道筋を一緒に見ていきましょう。
岡山で起業するメリット ― 中四国の結節点と地域資源

岡山で起業する最大の魅力は、地理と地域資源の組み合わせにあります。岡山駅は山陽新幹線と瀬戸大橋線をはじめ在来線8方面・路面電車が乗り入れる中四国最大のターミナル駅で、中四国の鉄道交通の結節点になっています。広島・福岡へも、四国の高松・松山へも、最短ルートで動ける位置に立地しているのが特徴です。
「晴れの国」という愛称のとおり、気象庁の平年値(2020年更新)では降水量1ミリ未満の年間日数が276.7日で全国1位です。台風や水害のリスクが他県より低く、教室・店舗・ものづくりの拠点を構えやすい風土です。観光や物販と相性が良いのも、この安定した気候のおかげと言えます。
岡山県統計分析課が公表した令和3年経済センサス活動調査では、岡山市内の事業所数は32,683で、県全体の41.6%を占めています。さらに県内製造業の年間売上高は7兆3,503億円で全国16位(前回・令和元年調査は15位)という数字も出ており、中四国エリアでは特に大きな経済圏を持っています。
ものづくりの厚みも特徴の一つです。倉敷の繊維、備前焼、児島ジーンズ、桃・マスカット・きびだんごといった地域ブランドは、ECやSNS発信と組み合わせやすい資産です。岡山で起業するなら、中四国の結節点という地理と地域ブランドの掛け算を、小さく始める形に落とし込むのが現実的な王道になります。
- 新幹線と瀬戸大橋線が乗り入れる中四国最大のターミナル駅
- 晴れの国ブランドと低い災害リスク(降水量1mm未満の日数が全国1位)
- 地域ブランドと製造業の厚み
岡山の創業支援拠点と補助金 ― ももスタを軸にした地域ネットワーク

岡山で起業を進めるとき、最初に名前を覚えておきたいのが「ももたろう・スタートアップカフェ(ももスタ)」です。ももスタは2019年8月1日に岡山駅前のイコットニコット2階(TSUTAYA BOOK STORE内)に開設された、岡山県内ではめずらしいスタートアップ支援拠点です。岡山市・中国銀行・トマト銀行・おかやま信用金庫・岡山商工会議所・中四国TSUTAYAで構成する「おかやま・スタートアップ支援拠点運営委員会」による運営体制が組まれています。
ももスタでは、創業希望者向けに専門家相談が用意されています。資金調達・税務・Webマーケなど分野ごとに窓口があり、起業準備の途中で出てくる細かい疑問を一つずつ整理していけるのが利点です。岡山県産業振興財団や岡山商工会議所も、別ルートで創業塾やセミナーを開講しているため、組み合わせて使うのが定石になっています。
公的な補助金として代表的なのが「岡山市創業促進助成金」です。事前に特定創業支援等事業による証明書を取得し、市内に本店を構えて法人を新設するという流れになります。「おかやま創業サポートデスク」は補助金申請や事業計画づくりの相談を受け付けており、書類の整理段階で頼れる窓口です。
ここで一つ、お伝えしておきたいことがあります。補助金は商品・お客さまが固まる前に取りに行くと、書類づくりに時間と気力を吸い取られて売上が立たないケースが少なくありません。補助金や支援拠点は、方向性が決まった後で使う道具という位置づけにすると、結果として遠回りを減らせます。
- 商品が決まる前の補助金申請
- 計画書の体裁づくりに数か月使う
- 採択後に売上が立たず資金が枯れる
補助金や支援拠点に駆け込む前に、まず「自分は誰の何を解決するのか」を一行で書き出してみてください。この一行が固まっていると、ももスタや創業サポートデスクの相談が一気に深い議論になります。
岡山で続けやすい起業アイデア5つ

岡山の地域特性と相性のよい起業ジャンルをまとめます。最初から大きな投資をする必要はなく、自宅や会社員のスキマ時間で始められるものを優先しています。
1つ目は地元食品・農産物のEC販売です。桃・マスカット・きびだんご・ジャージー乳製品など、岡山には全国に出してもブランド力で戦える農産物がそろっています。2つ目は伝統工芸と現代デザインの掛け算です。備前焼・倉敷帆布・児島ジーンズは、ECとSNS発信の組み合わせで県外ファンを増やしやすい分野になっています。
3つ目は観光と地元体験の橋渡しです。後楽園・倉敷美観地区・吉備津神社など全国区の観光資源があり、半日ガイドや体験プログラムをパッケージ化する余地があります。4つ目は移住・二拠点生活のサポートです。岡山県は災害リスクの低さから移住希望者が増えており、家探し・行政手続き・地元コミュニティ紹介などを束ねるサービスが伸びています。
5つ目は中四国エリアのBtoB業務代行です。新幹線・瀬戸大橋線の地理を活かし、広島・四国の中小企業を訪問できる距離感を売りにできます。事務代行・SNS運用・採用支援などスキル系のサービスは、会社員のままでも始めやすい入口です。
ここで、拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』にこんな考え方が出てきます。起業ネタを判定するときの「3つのチェック」です。①一人で始められるか、②一人で続けられるか、③大きなお金がかからないか。岡山で考える起業アイデアも、まずこの3つを通してみると、無理がない形に磨かれていきます。
- 一人で始められる構造かどうか
- 一人で続けられる作業量に収まるか
- 初期費用と運転費用が小さいか
この3つを満たすアイデアは、会社員のまま準備期間に試作・検証を進めやすい形になっています。逆に1つでも欠けると、起業前の段階で疲れて止まってしまうリスクが上がります。
岡山で起業した会員さんの体験談 ― 桃農家を継いだ50代Sさんの軌跡

岡山市出身で営業職に就いていた50代会社員のSさん(仮名)の例をお伝えします。実家は岡山県北の桃農家でしたが、両親が高齢になり、後継ぎがいない状態で生産規模を縮小していました。Sさんは「会社員のまま、両親の桃を全量買い取る仕組みをつくる」という目標から起業準備を始めました。
起業準備を始めた6ヶ月目に、Sさんは農家直送のECサイトを立ち上げました。最初は知人とその家族向けに桃を箱で送る程度で、月の売上は1万円ほどです。1年目の収穫期には、知人経由の口コミで月10万円ラインまで到達しました。
転機になったのは2年目の盆と正月でした。Sさんは帰省客を意識して、Instagramで「岡山土産セット」(桃・マスカットゼリー・きびだんごをまとめた箱)を発信し始めました。実家を離れた岡山出身者が「親戚に送りたい」「自分のために懐かしい味を食べたい」と反応し、県外客が急増します。この時点で月の売上は30万円台に乗り、両親の桃を全量買い取れる規模に届きました。
3年目の現在、Sさんの月収は40万円を超え、桃以外にもジャージー乳製品や備前焼の小物も扱う直送セレクトショップに広がっています。両親は今も自分のペースで桃畑を続けており、収穫期は近所の高校生がアルバイトに加わる小さな雇用も生まれています。
- 家族と知人だけが集まるテスト販売
- 帰省シーズンに合わせたパッケージ化
- Instagramで岡山出身者にリーチ
- 口コミから県外リピーター確保
- 関連商品で買い物単価を引き上げ
最初は家族と数人の知人に試作を渡して感想を集める、ここから始めてみてください。Sさんも、最初の半年は親戚以外には売っていません。一度に大規模な発信をするより、近い人に喜ばれた事実が、後で県外発信の説得材料になりました。
岡山で起業する第一歩 ― 起業18フォーラムから始める全体像の学び

ここまで岡山の地理・地域資源・支援拠点・実例を見てきました。最後に、今日から動くための順番をまとめておきます。
最初の一歩は、いきなり補助金申請でも、ももスタへの相談でもありません。先に「自分が起業でやりたいことの全体像」を頭に入れる時間を取ってあげてください。会社員のまま、家族の生活を守りながら準備する起業の進め方は、独学だけでは抜け落ちる視点が多くあります。
起業18フォーラムの動画とオンラインセミナーは、まさにこの全体像を学ぶ入口として用意しています。岡山にいながら、自宅で全国の事例とロードマップを学べる時間を、最初の1ヶ月に組み込んでみてください。動画とセミナーで方向性が言語化できるようになると、ももスタや創業サポートデスクでの相談が一気に深まります。
方向性が見えてきたら、岡山市創業促進助成金やももスタの専門家相談を順番に活用していくのがスムーズです。岡山の地域支援は「商品と顧客の方向が固まった人」に向けて設計されています。逆順で動くと書類づくりに疲れてしまうので、学習→方向性確定→地域支援、という流れを守るのが結局は近道になります。

岡山には「晴れの国」らしい起業の追い風があります。新幹線と瀬戸内の海と桃太郎の伝説に守られたこの地で、あなたらしい一歩を、今日から積み上げていきましょう。
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