記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:
● 質問
40代後半の会社員です。老後の資産形成のために積立NISAを少しずつ続けていますが、最近、起業準備も始めました。起業準備で入ってくる収入は、資産形成に回すべきでしょうか? それとも事業に使うべきですか?
起業準備と資産形成を同時に考えていくことはできますか? 両方進めようとすると、どちらも中途半端になってしまわないか心配です。

● 回答
起業準備と資産形成は、矛盾しません。正しく構造を理解すれば、起業準備そのものが最大の資産形成手段になります。
起業準備の収入はまず「事業の土台」に使う
起業準備の初期段階では、収入を資産形成に回すよりも事業の仕組みづくりに優先的に使うことをおすすめします。
- 会計ソフト・ツール代(月1,000円前後)への投資
- 専門スキル習得・情報収集のための書籍・セミナー費用
- 生活防衛資金の積み増し(突発的な収入減への備え)
起業準備の初期に使った費用は事業経費として計上でき、節税効果を生みます。1,000円の会計ソフトも経費になるため、手取り換算ではさらにコストが下がります。この「経費化できる」という仕組みを知っているかどうかで、同じお金の使い方でも税務上の結果が変わります。
積立NISAは「続けながら」でいい
積立NISAは、起業準備と並行して続けることをおすすめします。積立NISAの非課税メリットは、時間を味方にする仕組みです。起業準備を始めたからといって、途中で止めてしまうと複利の恩恵が減ってしまいます。
月々の積立額を一時的に抑えることは問題ありませんが、完全に止めるよりも「少額でも継続する」方が長期的には有利です。起業準備の収入が安定してきたら、積立額を段階的に増やしていく設計が現実的です。
起業準備が最大の「資産形成」になる理由
収益を生む事業を持つことは、それ自体が資産です。
- 給与以外の収入の柱ができる(収入源の分散)
- 事業所得として青色申告すれば最大65万円の特別控除が受けられる
- 定年後も収入を生み続ける仕組みになる(年金との組み合わせ)
ただし、起業準備収入が安定する前に積立NISAの掛け金を大幅に増額したり、リスク資産への集中投資をしたりするのは避けてください。事業の初期段階では、手元の現金が予想外に必要になる場面があります。流動性を確保したうえで、余剰資金を資産形成に回す順序が重要です。
「起業準備か資産形成か」という二択で考えなくていいです。起業準備を育てながら積立を続け、収入が増えたら積立を増やす。この順序で進めた会員さんが、定年後も収入と資産の両方を持つ状態を作っています。
起業準備は、時間をかけて育てた分だけ「自分が働かなくても収入が入る仕組み」に近づきます。それが最終的に、どんな金融商品よりも大きな資産になる可能性があります。
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