起業してからもiDeCoとNISAは続けられますか?

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

在職中からiDeCoとNISAを積み立てています。将来的に独立起業を考えていますが、独立後もこれらは続けられますか?

また、起業の資金に充てるために一時解約したほうがいいのか迷っています。

起業前質問集

● 回答

iDeCoもNISAも、独立後も継続できます。また、起業資金のために解約・中断することは基本的にお勧めしません。それぞれの理由を順番に説明します。

独立後のiDeCoとNISAの扱い

まず状況別の対応を整理します。

独立後のiDeCo・NISAのポイント

  • iDeCo(独立後・個人事業主):掛金の上限が月23,000円(会社員)から月68,000円に引き上がる。節税効果が大きくなるため、むしろ積極的に活用する価値が上がる
  • NISA(独立後):名義変更不要・そのまま継続可能。積立NISAは毎月の投資額を下げることも対応できる
  • iDeCo中途解約:原則として60歳まで引き出せない。「起業資金に充てる」目的での解約はできない仕組み
  • NISA中途解約:いつでも解約可能だが、非課税枠が復活しないため長期投資の恩恵を手放すことになる

国税庁の規定では、個人事業主(小規模企業共済等掛金控除)のiDeCo上限は月68,000円(年間816,000円)です。会社員時代より節税メリットが大きくなるため、独立後は掛金を増やす検討を優先するほうが理にかなっています。

拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』で紹介したすずかずさんは、年間コストを8万円に抑えながら事業を立ち上げました。STAGE Iの段階では「毎月の固定出費を最小化する」発想が大切ですが、iDeCoの積立は「節税しながら資産形成をする仕組み」として、固定費とは別に考えるべきです。

節税効果の高い積立は、起業後の「コスト意識」と相反するように見えて、実際は補完関係にあります。所得控除として機能するiDeCoは、事業収入が増えるほど節税額が大きくなるからです。

起業資金はiDeCoやNISAとは別の口座・手段で準備するのが原則です。長期資産形成と事業運転資金は「財布を分ける」ことで、どちらも正しく管理できるようになります。

今すぐやるべきことは「起業の準備資金」と「長期投資資金」を別の口座に分けることです。起業資金は普通預金か別口座で管理し、iDeCo・NISAには手をつけないルールを今日から設定してください。

起業準備をしながら老後の資産形成も同時に進めることはできますか?
● 質問 40代後半の会社員です。老後の資産形成のために積立NISAを少しずつ続けていますが、最近、起業準備も

iDeCoとNISAは独立の障害ではなく、むしろ独立後に価値が高まる制度です。継続しながら起業の準備を進める道を選んでください。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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