メルマガやブログで本の一部を引用するのは著作権侵害? 引用が認められる条件とは

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

読むと前向きになれるメルマガを発行したいと考えています。その中で、いろいろな人の本から心に響いた言葉を抜き出して紹介していきたいのですが、他人の著作物を勝手に使うことになり、著作権の上で問題になってしまわないでしょうか。

どこまでなら載せてよいのか分からず、踏み出せずにいます。

起業前質問集

● 回答

引用の要件を満たしていれば、許可を取らなくても本の一部を紹介できます。

他人の本の言葉を載せること自体は、けっして禁じられているわけではありません。

著作権法第32条は、一定の条件を満たした引用を正当な行為として認めています

文化庁の「著作物が自由に使える場合」でも、引用は著作者の許諾なしに利用できる場合の一つとして整理されています。

大切なのは、その条件を一つずつ満たしているかどうかです。

この記事では、メルマガやブログで本の言葉を紹介するときに守るべき引用の条件と、無断転載との違いを整理していきます。

引用が認められる四つの条件

文化庁は、他人の著作物を引用するときに注意すべき点を次のように示しています。

  • 他人の著作物を引用する必然性があること
  • かぎ括弧をつけるなど、自分の文章と引用部分が区別されていること
  • 自分の文章と引用部分の主従関係が明確であること(自分の文章が主体)
  • 出所が明示されていること(書名・著者名など)

つまり、本の言葉を紹介する目的が文章の中で自然につながっていて、どこからどこまでが引用かがひと目で分かり、あなた自身の文章が中心になっていれば、適法な引用として認められやすくなります。

そのうえで、引用した本の書名と著者名を必ず添えておきましょう。

「引用」と「無断転載」はどこが違うのか

同じように本の言葉を載せても、引用になる場合と、無断転載になってしまう場合があります。

両者を分けるのは、あなた自身の文章が主役になっているかどうかです。

  • 本文の大半が本の引用で、自分の言葉がほとんどない
  • かぎ括弧もなく、どこが引用か区別できない
  • 書名や著者名の記載がない
  • 一冊をまるごと、あるいは長い章をそのまま転載している

このような形は引用とは認められず、著作権を侵害するおそれがあります。

逆に、心に残った一文を短く引き、それに対するあなたの気づきや解釈を厚く添える形なら、立派な引用として成り立ちます。

メルマガやブログで本を紹介するなら、引用は短く、自分の感想や解説を主役にする意識を持ちましょう

著者へひと言伝えておくと、もう一段安心できる

引用の要件を満たしていれば、法律上は原則として著者の許諾なしに利用できます。

とはいえ、可能であれば著者へひと言連絡しておくと、より安心して紹介できます。

毎回連絡するのは大変かもしれませんが、これが思わぬご縁につながることがあります。

起業18フォーラムの会員さんでも、紹介した著者からお礼の返信をもらい、そこから対談やコラボ企画に発展したケースがあります。

情報発信は、続けるほどに人とのつながりが財産になっていきます。拙著『会社を辞めずに朝晩30分からはじめる起業』にも、小さな発信を積み重ねて信頼を育てていく大切さが出てきます。

会員さんの体験談(40代・元出版社事務)

発信のルールを最初に整えておいた会員さんほど、その後の運営が安定しています。

  • 40代・元会社員(出版社の編集事務)が読書系メルマガで独立を目指したケース
  • 独立前は勤めながら週に一度メルマガを配信
  • 当初は自己流で本文をそのまま長く転載し、出所も書かずに発行していた
  • 表現の扱いに不安を覚え、起業18フォーラムへ参加して引用のルールを学び直した
  • 引用を短くし、書名と著者名の明示と著者への一報を徹底したところ、読者数も信頼も安定して伸びた

この会員さんは「ルールを知ってからは、堂々と本を紹介できるようになりました」と話しています。

正しい引用の作法を身につけることが、安心して発信を続ける土台になります。

本の言葉を紹介できるかどうかは、引用の四つの条件を守れているかで決まります。短く引いて自分の言葉を主役にし、出所をきちんと示せば、安心して発信を続けられます。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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