記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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はてなブログに専門知識を1本ずつ書きためるのは、開店前の棚に商品を並べておく作業に似ています。はてなブログは、Google検索とはてなブックマークという2つの入口から、テーマで探している読者が集まりやすい場所です。勤め先の仕事を続けながらでも、週1本のペースで専門知識を積み上げれば、見込み客や相談の接点は少しずつ増えていきます。
ただ、いざ書き始めると「何を書けばいいのか分からない」「続けても読まれない」という壁にぶつかります。ここでつまずいて更新が止まってしまう方を、私は何人も見てきました。
起業18フォーラムが2021年12月に行ったネットリサーチでは、経営者や自営業の方の最大の不安は「収入が不安定」で、約半数がこれを挙げました。だからこそ、勤めを続けているうちから、相談が届く入口を1つずつ作っておく価値があります。
はてなブログが起業準備の入口に向く理由

はてなブログの強みは、読まれ方が2通りあることです。1つはGoogle検索で、悩みや調べ物のキーワードから記事にたどり着く流れ。もう1つははてなブックマークで、同じ関心を持つ人が記事を保存し、その反応が集まると多くの人の目に触れる流れです。
総務省「令和6年版情報通信白書」によると、2023年の個人のインターネット利用率は86.2%にのぼります。それだけ多くの人が、困りごとや調べ物を検索やSNSで探しています。あなたの専門知識を必要としている人も、その中にいます。
中小企業庁の2025年版小規模企業白書では、SNSが遠隔地や潜在顧客とつながる手段として効果を発揮している可能性が示されています。書いて届ける動きが、地域を越えた顧客との接点づくりになり得るということです。
この2つがそろうと、過去に書いた記事が時間をおいてから読まれます。日記のように流れて消えるのではなく、テーマごとに知識が棚のように残る。検索とはてなブックマークで専門テーマが読者に見つけられ続けるのが、はてなブログを起業準備の入口にする最大の理由です。
無料版とProの違いと始め方の順番

はてなブログには無料版と有料版があります。始めるだけなら、無料版で十分です。記事を書き、はてなブックマークやコメントで読者の反応を確かめる。ここまでは無料版でできます。
本格的に育てるなら、有料の「はてなブログPro」にすると独自ドメインが使えます。独自ドメインは、記事の置き場所を自分の住所として持つイメージです。将来ホームページや商品ページに育てるとき、住所が変わらないほうが、積み上げた信用をそのまま引き継げます。
始める前に決めておくと迷いが減るのは、次の2つです。
- テーマを1つに絞る:
本業で人より詳しい分野を1つだけ選び、そこだけを書く場所にする。 - 読む相手を1人思い浮かべる:
過去の自分や同僚など、顔の浮かぶ1人に向けて説明する。
この2つを決めておくと、記事の方向がぶれずに続けられます。
note・アメブロとの違いと使い分け

「どこで発信するのがいいですか」と会員さんからよく聞かれます。note・アメブロ・はてなブログは、どれが優れているという話ではなく、広がり方と向いている人が違います。
- note:
フォローした人に記事が届きやすく、有料記事の販売もしやすい。読者との関係を軸に広げたい人向け。 - アメブロ:
読者どうしの距離が近く、共感やコメントで反応が返りやすい。人柄で覚えてもらいたい人向け。 - はてなブログ:
検索とはてなブックマークで、テーマを調べている知らない読者に届く。専門知識を積み上げたい人向け。
専門知識で見込み客や相談につなげたいなら、検索とはてなブックマークに強いはてなブログが向いています。まずは1つに絞り、慣れてからもう1つを補助として足すと続けやすくなります。
読まれる記事を書く順番と週1本の続け方

続けるコツは、頑張りすぎないことです。拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』では、続けられる範囲に目標を置く「継続可能ゾーン」という考え方を紹介しています。やる気に任せて毎日書こうとすると、たいてい2週間で息切れします。
おすすめは、バズを狙わず週1本を淡々と積み上げるやり方です。1本の記事は、読む相手の困りごとを見出しにして、その解き方を順番に書くだけで形になります。
読まれやすい記事は、書く順番がだいたい決まっています。
- 困りごとを見出しに:
「◯◯で困ったときの手順」のように、相手の言葉で見出しを作る。 - 結論を先に書く:
答えを最初に1行で示し、そのあとに理由と手順を説明する。 - 最後に次の一歩:
読んだ人がすぐ試せる行動を1つだけ添える。
この形なら、専門知識がそのまま読者の役に立つ記事になります。
会員さんの実例|書斎づくりから相談が届くまで

部品メーカーで生産現場の改善を担当する宮原さん(仮名・40代)は、現場のムダ取りのノウハウをはてなブログに書き始めました。ところが最初の数か月は、日々の出来事を日記のように書くだけで、ほとんど読まれませんでした。
転機の入口は、部屋の使い方を変えたことでした。物置になっていた部屋を片づけて書斎にし、机と椅子を1万円で買い足したところ、「あとで書く」という言い訳が消えて、書く時間が生活の中に固定されました。
それでも読まれない状態は変わらず、宮原さんは起業18フォーラムの勉強会に参加しました。そこで学んだのは、日記ではなく「特定の1人の困りごとに答える記事を、週1本だけ書く」という進め方です。誰に向けて書くかを決めていなかったことが、読まれない原因だと分かりました。
宮原さんは、テーマを「生産現場のムダ取り」に絞り、同じ悩みを持つ現場担当者に向けて書き直しました。すると記事にはてなブックマークがつき始め、検索からも読まれるようになりました。半年後には、同じ悩みを抱えた人から月に3〜4件の問い合わせが届くようになり、そのうちの1人が初めての有料相談につながりました。
特別な文章力があったわけではありません。相手を1人に絞り、続けられる量に落としたことが、読まれる記事への分かれ道でした。
つまずきやすい落とし穴と抜け出し方

発信が続かない人には、共通したつまずき方があります。中でも多いのが、反応がないうちに更新をやめてしまうパターンです。当てはまるものがあれば、そこから見直すと立て直しやすくなります。
- 毎日更新にこだわる:
量を求めて息切れする。週1本に落として続けるほうが結果的に積み上がる。 - 全員に向けて書く:
誰にでも当てはまる話は、誰にも刺さらない。読む相手を1人に絞る。 - 反応がないとすぐやめる:
検索に載るまでには時間がかかる。数か月は順位を気にせず書き続ける。
反応が出ない時期こそ、週1本のペースだけは崩さずに続けてください。

よくある質問

Q.はてなブログは無料版のままでも起業準備に使えますか?
使えます。記事を書いて読者の反応を見るところまでは、無料版で十分です。独自ドメインで本格的に育てたくなったら、その時点で有料のProに切り替えれば間に合います。
Q.毎日更新しないと読まれませんか?
毎日でなくて大丈夫です。むしろ週1本を続けるほうが、1本ずつの内容が濃くなり、検索でも読まれやすくなります。続けられる量に落とすことを優先してください。
Q.何を書けばいいか分からないときはどうすればいいですか?
過去に人から相談されたことを思い出してください。同僚や後輩に説明した内容は、そのまま誰かの検索キーワードになっています。本業で当たり前にやっていることが、読者には知りたい情報です。
Q.勤め先に知られないか心配です。どう気をつければいいですか?
本名を出さずにペンネームで運営し、勤め先が特定できる固有名詞を書かないようにすると、身元が特定されるリスクを下げられます。ただし、経歴、写真、位置情報、他のアカウントとの連携から推測される可能性は残ります。まずは知識の共有から始め、公開する情報の範囲を決めておきます。
今日からの一歩|最初の1本を出す

商品やサービスがまだ固まっていなくても、はてなブログに1本だけ記事を出してみてください。「◯◯で困っている人へ」という、あなたの専門に近いテーマを1つ選び、その解き方を書いて公開してみましょう。反応がゼロでも、それはどんな見出しなら読まれるかを知るための、立派なデータになります。
今日読んだ内容も、次に同じ悩みの人へ自分の言葉で説明できたとき、はじめて本物の理解に変わります。その説明の場が、あなたのはてなブログの1本目です。今日は、書く相手を1人思い浮かべるところから始めれば十分です。
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