ラクマで物販を始める順番|メルカリと迷う前に決めること

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

ラクマで物販を始めようと思ったとき、多くの人がまず「ラクマとメルカリ、どっちがいいんだろう」と検索します。比べることから入りたくなるのは自然なことです。けれど、いきなり比較から始めると、肝心の「自分が何を、どう売るか」が後回しになりがちです。

物販の始め方は、いきなり大海原に船を出す航海ではなく、まず岸の近くで小舟を一艘浮かべてみることに似ています。沈まない範囲で水に慣れてから、少しずつ沖に出ればいい。この記事では、楽天グループが運営する「ラクマ」を入口に、勤めを続けながら物販を始める順番を整理します。プラットフォームをどちらにするかの前に、決めておくと迷いが減ることがいくつもあります。

ポイント ラクマで物販を始める前に押さえる全体像

比較より先に自分の売り方の輪郭を決めておく

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ラクマは楽天グループが運営するフリマアプリで、2024年に累計4,000万ダウンロードを達成しています。楽天ポイントが使える点や、落ち着いた利用層に向く点が語られることの多いサービスです。物販の入口として、家にある不要品を出すところから始めやすい場所と言えます。

ただ、始める前に一つだけ向きを合わせておきたいことがあります。フリマアプリ選びは「どちらが優れているか」ではなく「自分の売り方にどちらが向いているか」で決めるものだということです。同じ商品でも、出す人の見せ方次第で売れ方は変わります。プラットフォームの性能より、自分の順番のほうが先に効いてきます。

そこで本記事では、まず物販を始める前に決めておく三つを押さえ、そのうえで「ラクマとメルカリで迷う前に何を見ればいいか」を整理します。最後に、安売りから抜け出した会員さんの実例も紹介します。

ポイント 出品より先に決める三つのこと

何を売るか相手は誰か手間はどこまでの三点

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いきなり大量に出品するのではなく、勤めているうちに小さく試しながら決めていくと、退職後に物販を広げる選択肢も無理なく残せます。CtoC、つまり個人間の取引市場は着実に育っています。経済産業省が2025年8月26日に公表した「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2024年のCtoC-EC市場規模は2兆5,269億円で、前年から1.82%伸びています。

市場が広がっているぶん、出品者の数も増えています。だからこそ、数を出す前に「どこで覚えてもらうか」を先に決めておくと、後の動きが変わってきます。決めるのは次の三つです。

1.何を売るかを一つに寄せる

最初に決めるのは、扱うものの輪郭です。家じゅうの不要品をなんでも出すところから始めるのは構いません。ただ、ある程度売れてきたら、売れ筋が見えたカテゴリーに少しずつ寄せていきます。あれもこれもと広げるより、一つの分野で「この人ならこれが揃う」と覚えてもらうほうが、二回目の購入につながりやすいからです。

まずは過去に売れたものの傾向を見て、自分が説明しやすいカテゴリーを一つだけ選んでみてください。説明が得意な分野は、写真も文章も自然とていねいになります。

2.誰に向けて売るかを思い描く

次に、買う人の顔を一人だけ思い浮かべます。年代も生活も近い、具体的な一人です。その人に向けて商品説明を書くと、言葉が自然としぼれてきます。「みんなに向けた説明」は、結局だれの心にも引っかからないことが多いものです。

  • 何でも出してしまうつまずき:
    カテゴリーが散らばり、二回目の購入につながらない
  • 相手があいまいなつまずき:
    説明が一般的になり、写真も言葉もぼやける
  • 手間を決めないつまずき:
    梱包や発送に時間を取られ、勤めとの両立が苦しくなる

青い枠に挙げたのは、順番を飛ばしたときに起きやすいつまずきです。どれも、出品の前に輪郭を決めておけば避けられます。

3.どこまで手間をかけるかを決める

三つ目が、見落とされがちな手間の線引きです。物販は、写真撮影・説明文・梱包・発送と、一品ごとに作業が積み重なります。勤めを続けながらだと、ここを決めておかないと時間に押し負けます。発送のまとめ日を週に一度決めておくなど、自分の生活に組み込める範囲を先に決めておきます。

ラクマの販売手数料は、販売実績に応じて変わる仕組みになっています。ラクマ公式ガイドによると手数料は六段階で、販売の回数と金額に応じて翌月の料率が決まります。細かな料率を覚える必要はありませんが、売れたときに何割かが差し引かれる前提で値付けを考えておくと、後で「思ったより手元に残らない」と慌てずに済みます。

ポイント メルカリと迷う前に見る一点と、値段が動く六つの要因

どちらが優れるかより値段が動く理由を先に知る

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ラクマとメルカリのどちらにするかは、多くの人が最初に悩むところです。けれど、優劣をつける問いではありません。出したい商品のカテゴリーで、どちらに同じような出品が多く集まっているかを見る。それだけで十分です。買う人が集まっている場所に出すほうが、最初の一件は動きやすくなります。両方に同時に出してみて、反応のよかったほうに寄せていく進め方もあります。

プラットフォーム選びより、ずっと効いてくるのが値段の付け方です。同じ商品でも、いつ、どこで、誰に、どう見せて出すかで売れ方は変わります。拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』に、値段が動く要因を整理した考え方が出てきます。価格は、タイミング・季節・場所・目的・非日常・信用という六つの要因で動くという見方です。

フリマでの出品に引きつけると、こう読み替えられます。コートを夏に出すか冬の入口に出すかで反応が違う(タイミングと季節)。同じ品でも、買う人が集まる場所に出すかどうかで動きが変わる(場所)。贈り物の時期に向けて見せ方を整えると、ふだんより価値が伝わる(目的と非日常)。そして、ていねいな説明と取引の積み重ねが、出品者としての信用になる(信用)。

  • 出す時期をずらす:
    季節物は使いたくなる少し前に出して反応を見る
  • 見せ方を整える:
    写真の明るさと一枚目を変えて、伝わり方を確かめる
  • 信用を積む:
    ていねいな取引を重ね、評価と説明の質を上げていく

黄色い枠は、六つの要因のうち自分で動かせるところをまとめたものです。値段は「いくらにするか」を一度決めて終わりではなく、出し方で作っていけるものだと分かると、安さで勝負する以外の道が見えてきます。

気になるカテゴリーの上位の出品者を、一週間だけ「お客の目」で見続けてみてください。選ばれている品が、なぜその値段で売れているのか。写真や説明のどこに手がかけられているのか。眺めているうちに、自分の出し方に足りないものが言葉になってきます。

ポイント 安売り合戦から、出品の仕方で単価を作れるようになった会員さん

値下げ頼みから出す時期と見せ方への切り替え

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起業18フォーラムにいた三好さん(仮名・40代・小売勤務)は、家の不要品を出すところからラクマで物販を始めました。買ってくれるのは自分と同じ40代の人が多く、最初のうちはそれなりに売れたそうです。ところが、似た商品を出す人が多いと気づいてからは、売るために値段を下げる動きが続きました。下げれば売れる、でも手元には少ししか残らない。その繰り返しに、少しずつ疲れていったと振り返ります。

流れが変わったのは、自分の販売履歴を見返していたときでした。よく売れていたのは、値段が安い品ではなく、写真と説明をていねいに整えて、使いたくなる時期に合わせて出した品だった。そのことに自分で気づいたのです。安さではなく、出すタイミングと見せ方が反応を左右していた。小売の現場で身につけた「季節の手前で売り場を整える」感覚が、ここで活きると思えた瞬間でした。

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そこから三好さんは、値下げを最初の手にするのをやめました。やったことは三つです。季節物は使いたくなる少し前に出し、写真の一枚目を撮り直し、説明には使う場面を一言添える。この三つを半年ほど続けるうちに、同じような品でも前より落ち着いた値段で買ってもらえるようになりました。始めてから12ヶ月目あたりには、値段を作っているのは安さではなく出品の仕方なのだと、手応えそのものが変わっていたそうです。

ここで一つ、よく聞く反論にも触れておきます。「結局、安くしないと売れないのでは」という声です。気持ちは分かります。ただ、安さは誰でもすぐにまねできて、際限がありません。出す時期と見せ方の工夫は、その人の経験がにじむぶん、まねされにくい強みになります。三好さんは今も同じやり方を続けながら、扱うカテゴリーを少しずつ絞り込んでいます。

順番を整理すると、プラットフォーム選びは入口にすぎない、というのが結論になります。何を・誰に・どこまでを先に決め、値段は出し方で作る。この順番で進めれば、ラクマもメルカリも、自分の売り方を試す場所として落ち着いて使えます。

メルカリで月6万円を作る道筋|在職中の物販を続ける専門化と仕入れの判断
「メルカリを使って物販を試したいのですが、不要品処分の段階から先にどう進めば事業になるのか分かりません」。 起

まず家にある不要品を3点だけ出品して、「売れる感覚」を確かめるところから。物販の順番の一段目は、いつもその小さな一回から始まります。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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