記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
会社に勤めながら起業準備で少し収入を得るようになり、本格的に個人事業を始めようと考えています。インボイス登録をすべきかどうか調べれば調べるほど混乱してきます。
登録するとどんなメリットがあるのか、しないとどんなデメリットがあるのか、起業準備の段階で何を確認すればよいですか?

● 回答
2023年10月から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)に関する相談は増える一方です。適格請求書発行事業者になるには、国税庁へ登録申請を行い、税務署の審査を経て登録を受ける必要があります。起業準備段階で「登録すべきか」と悩んでいる方には、まず判断の前に確認すべき点があります。
インボイス登録が必要になる場面と不要な場面
インボイス登録(適格請求書発行事業者の登録)が必要になるのは、消費税の課税事業者である取引先(法人や個人事業主)に対して請求書を発行し、相手が仕入税額控除を使う場面です。具体的には次の2つの場合に登録が実質的に必要になります。
- BtoBの取引が中心:クライアントが法人や個人事業主で、仕入税額控除を行う場合。登録しないと相手の消費税控除が受けられず、取引を見直される可能性がある
- フリーランスや業務委託で企業と取引する:エンジニア・デザイナー・ライターなど、法人クライアントと継続的に取引している場合は、登録を求められるケースが多い
一方、登録を急ぐ必要がない場面もあります。取引相手が一般消費者(個人)のみの場合、たとえば料理教室・占い・手作り作品の販売などでは、相手に仕入税額控除の概念がないため、インボイス登録の有無が取引に影響しません。
登録・非登録を比べた3つの軸
判断に迷うときは次の3軸で整理してみてください。取引相手とクライアントからの要望の2点が明確になれば、判断は意外にシンプルです。
- ①取引相手は誰か:法人・個人事業主(BtoB)→ 登録を検討。一般消費者(BtoC)→ 急がなくてよい
- ②年間売上の見込み:基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら原則は免税事業者。ただし登録すると課税事業者になり、消費税の申告・納付義務が発生する
- ③取引先からの要望:クライアントから「インボイス番号を教えてほしい」と言われた場合は要登録。言われていない段階では無理に急がない
インボイス登録は「取引相手が法人・個人事業主かどうか」と「取引先からの要望があるかどうか」で判断するのが基本です。この2点が当てはまらない段階で焦って登録する必要はありません。
起業準備段階での注意点
拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』でも取り上げているのですが、STAGE I(売上0〜1万円)の段階は、仕組みや手続きより「最初の1人のお客様」を見つけることに集中すべき時期です。インボイス制度の勉強に時間を使いすぎて、動き出しが遅れることが最大のリスクになります。
起業18フォーラムに届く相談でも「準備に集中しすぎて、売上ゼロのまま半年が過ぎた」というケースは少なくありません。インボイス登録は、実際の取引先、登録希望日、消費税の納税負担を確認してから判断しても遅くありません。まず動いて、必要になったときに対処する順番で十分です
まず動いて、必要になったタイミングで登録可否を判断する順番が最もリスクが少ないです。登録申請はe-Taxでも可能です。免税事業者が登録希望日を指定する場合は、提出日から15日以降の日を登録希望日として記載する扱いがあります。

まず最初のお客様が法人・個人事業主なのか、一般消費者なのかを先に確認することが、準備段階での正しい順番です。
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