40代後半から起業準備、何から手をつければいい? 順番の整理のしかたとは

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

来年で48歳になる会社員です。子どもがまだ中高生で教育費の不安もありますが、定年後を見据えて起業準備を始めたいと思っています。

朝の時間を使って3か月ほど色々と試しているものの、結局何から手をつければいいのか分からなくなってきました。順番を整理する方法はありますか?

起業前質問集

● 回答

色々試して散らかってしまうのは、行動している証拠でもあります。問題はやる気ではなく、全体像を持たないまま枝葉から手をつけている点にあります。先に地図を一枚持つと、急に迷わなくなります。

起業のネタは「3つのチェック」で選ぶ

拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』に、起業ネタを見極める「3つのチェック」が出てきます。一人で始められるか、一人で続けられるか、大きなお金がかからないか。この3つを通らないネタは、どれだけ魅力的でも、いったん脇に置くのが正解です。

魅力的に見えるネタほど、この3つのどれかでつまずきがちです。

判断に迷ったら、机に並べて一つずつ確かめてみてください。今やっていることを、まずこの3つのチェックに通してみてください。

  • 仲間を集めないと回らないネタ
  • 毎日続けると負担が大きすぎるネタ
  • 最初から在庫や設備にお金がかかるネタ
全体像は「設計図」で一枚にまとめる

ネタが絞れたら、次は全体像を一枚にします。同じ本に「設計図」という考え方があり、困っている人は誰か、何を、どうやって、いくらで、なぜあなたから買うのか、といった項目を一枚に書き出します。頭の中で考えている限り散らかりますが、一枚の紙にすると、足りない部分がはっきり見えてきます。

設計図でとくに大事なのは、「なぜ、ほかの人ではなくあなたから買うのか」という一行です。ここが空欄のままだと、どれだけ中身が良くても選ばれにくくなります。最初から立派な答えはいりません。「同じ業界に20年いた」「現場の苦労を知っている」といった、自分には当たり前のことが、そのまま理由になります。

一枚にまとめると、頭の中だけで考えていたときには見えなかった「次にやること」が、自然と一つに決まってきます。完成度より、まず書き出してみることのほうが大切です。書き出した翌朝に読み返すと、前日は気づかなかった抜けや思い込みが見えてくるものです。一度で完成させようとせず、毎朝少しずつ書き足していくくらいの気持ちで十分です。

  • 第1週:
    3つのチェックでネタを一つに絞る
  • 第2週:
    設計図の項目を一枚に書き出す
  • 第3週:
    身近な人に設計図を見せて感想をもらう

自動車部品メーカーで品質管理を続けるHさん(40代後半)も、朝の時間で複数のアイデアを同時に進めて行き詰まっていました。公庫の2024年度新規開業実態調査では、開業時の年齢は40代が37.4%で最も多く、平均は43.6歳です。40代後半は、遅すぎるどころか主役の世代です。

Hさんは設計図を使って「中小工場向けの検査チェックリスト作成支援」に絞り直しました。朝の30分で少しずつ進め、半年後には月5万円の依頼につながっています。手を広げて悩んでいた人ほど、絞った瞬間に動きが軽くなります。

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地図がないまま歩くから、迷うのです。今週末、3つのチェックを使って、今のアイデアを一つだけに絞ってみてください。絞ることは、あきらめることではありません。最初の一歩を決めることです。

一つに絞ったら、次は誰に見せるかを決めてください。起業準備は、考えた順ではなく、人に見せた順に前へ進みます。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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