記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
40代の会社員です。半年前に副業を始めたのですが、SNS発信・物販・スキル販売の3つに同時に手を出して、どれも月1〜2万円で止まっています。
「とにかく全部試して合うものを残せ」というアドバイスを聞いて始めたのですが、どこから絞ればよいでしょうか?
● 回答

「とにかく全部試して合うものを残す」というアドバイス、よく聞きますよね。ただ、勤めながら動く人の時間と気力では3つ並走させると全部が薄まります。本業の「名もなき強み」が最も活きる1本を選ぶ基準に切り替えるのが現実的です。名もなき強みとは、本業で当たり前にやっている段取りや気配りのことです。
中小企業庁が毎年公表している中小企業白書でも、副業や小さなビジネスを継続できるかどうかは、商品の数より「顧客と商品の接点を選び切れるか」が分岐点として継続的に触れられています。並行している3つの活動が全部「初対面の見込み客」相手だと、説明と信頼構築のコストが3倍かかり、本業の体力では支えきれません。1本に絞った瞬間にコストが3分の1になり、その分を商品の質に回せます。
拙著『起業神100則』に「名もなき強み」というフレーズが出てきます。資格や肩書きより、本業で当たり前にやってきた段取り・気配り・空気の読み方こそが、副業の最初の収入を生む土台になる、という考え方です。名もなき強みが最も活きる活動を1本選べば、自分しか提供できない説明と提案がそのまま商品の輪郭になります。
絞り込みの基準は、次の3点で十分です。
- 本業の段取り・気配りが最も活きるか:
3つの活動を比べて、本業で身に付けた具体的な段取り・気配り・調整能力が最も自然に出るものを選ぶ - 説明コストが最も低いか:
見込み客に「これは何をするものか」を説明するのに最も短い言葉で済むものを選ぶ。30秒で伝わるかどうかを基準にする - 本業の信頼が二次的に効くか:
本業の業界・職種を背景として一言添えるだけで信頼が増す活動を選ぶ。背景がノイズになる活動は外す
会員さんの桐谷さん(仮名・44歳・既婚・小学生の子2人・通販会社のカスタマーサポート責任者)は、最初の半年を「SNS発信+ハンドメイド物販+クラウドソーシングのライティング」の3本並走で進めて、各月1〜2万円のまま止まっていました。起業18フォーラムの勉強会で「名もなき強み」を基準に絞る順番を学び直し、本業のクレーム対応で培った傾聴力が最も活きる「中小通販向けの顧客対応設計の壁打ち相談」1本に絞り直したそうです。
SNS発信は壁打ち相談の補助線として残し、物販とライティングは完全停止。準備13ヶ月目で月6万円、22ヶ月目には月18万円の継続収入になりました。
桐谷さんが振り返って言うのは、3本やっていた頃は時間も気力も毎週バラバラに使い切っていたが、1本に絞った瞬間に同じ時間で深掘りができるようになった、ということでした。並行している活動をすべて紙に書き出して、本業の名もなき強みが最も活きる1本を選んでみてください。
並行運用は試行錯誤のためであって、収益化のための運用ではありません。試行錯誤の段階は最初の3ヶ月で終わらせて、半年目には1本に絞り切るのが現実的な設計です。

「全部試す」は最初の準備期間限定のやり方です。今週末、3つの活動を紙に並べて「本業の名もなき強みが最も活きる1本」を○で囲んでみてください。
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