与論島での起業と移住|憧れを現実の準備に変える進め方

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

透き通った海と、潮が引いたときだけ姿を見せる百合ヶ浜。一度でも与論島を訪れた方なら、「いつかこの島で暮らし、自分の力で生計を立てられたら」と考えたことがあるかもしれません。観光で味わった非日常の空気が忘れられず、移住と起業をセットで思い描く方は少なくありません。

ただ、憧れと現実のあいだには距離があります。島の人口は限られ、本土との行き来にも時間がかかります。この記事は移住を煽るためのものではありません。与論島で起業したい方が、勤めを続けながら準備をどう積み上げるかを現実的に整理することを目的にしています。

ポイント 与論島で起業する前に知っておきたいこと

憧れを現実の準備に変える整理

与論島

与論島で起業を考えるとき、まず必要なのは島の暮らしの輪郭をつかむことです。観光客として見た景色と、生活者として向き合う環境は別物です。ここでは島の基本情報と支援、現実的な起業の方向性、つまずきやすい点、そして準備の進め方を順に整理していきます。

ポイント 与論島で起業を考える前に知っておきたい現実

人口と立地とアクセスの把握

与論島

与論島は鹿児島県与論町、一島一町の島です。鹿児島県の最南端にあり、鹿児島県と沖縄県の県境に位置しています。人口は5,062人、世帯数は2,659世帯です(2024年12月31日現在、与論町)。観光地として知られる一方で、暮らす人の数は決して多くありません。

アクセスも理解しておきたい点です。鹿児島県本土までは航空機で約1時間40分、フェリーで約20時間かかります。一方で隣の沖縄県・那覇までは航空機で約40分、フェリーで約5時間です。鹿児島よりも那覇のほうが近いという立地は、起業の発想にも関わってきます。

島の産業は観光、農業、そして海洋資源を活かした漁業が中心です。百合ヶ浜やサンゴ礁といった自然が観光の核になっています。小さな市場であることを前提に、どこに自分の事業を置くかを考えていく必要があります。総務省統計局の国勢調査が示すように、与論島も人口の減少が続いてきた島の一つです。

ポイント 与論島の移住・起業の支援を知っておく

使える支援の全体像の確認

与論島

移住と起業を考えるなら、利用できる支援を早めに知っておくと選択肢が広がります。与論町には移住・定住の相談窓口や支援の取り組みがあります。ただし具体的な補助金の金額や条件は変わることがあるため、最新の内容は与論町の公式情報で確認したいところです。この記事では金額を断定せず、情報の在り処をお伝えするにとどめます。

また、国の制度として「移住支援金」や「起業支援金」があります。これは東京圏などからの移住に伴う就業や起業を対象とした制度です。対象や条件があり、すべての人が使えるわけではありません。自分が該当するかどうかは、制度の最新要件を確かめることが前提になります。

  • 与論町の移住・定住の相談窓口や支援の取り組み
  • 国の移住支援金・起業支援金(対象・条件あり)
  • 金額や要件は最新の公式情報で必ず確認する

支援はあくまで準備を後押しするものです。支援制度を出発点にせず、自分が何で生計を立てるかを先に固めてから情報を取りにいく。この順番を意識しておくと、制度に振り回されずに済みます。

ポイント 与論島で会社員が現実に始めやすい起業

島の資源と立地を活かす発想

与論島

小さな島で起業を考えるとき、無理に島の中だけで完結させようとすると行き詰まりやすくなります。発想を二つに分けると整理しやすくなります。一つは島の資源を活かす方向、もう一つは今の働き方を持ち込む方向です。

島の資源を活かす方向

サンゴ礁の自然や観光、与論島ならではの農産物は、事業の素材になります。たとえば体験型のサービスや、島の産品を島外へ届ける小さな物販などです。島の魅力を「島の外の人」に向けて価値に変える視点が、限られた人口の中でも需要をつくる鍵になります。

今の働き方を持ち込む方向

もう一つは、現在の仕事のスキルをリモートワークとして続ける方向です。場所を選ばない業務であれば、島に拠点を移しても収入の柱を保てます。ここで効いてくるのが立地です。鹿児島と沖縄の両方に近い与論島は、本土側の取引先とも沖縄側の取引先とも行き来しやすい位置にあります。

そして大切なのが、いきなり移住しないという選択肢です。本土や沖縄と与論島を行き来する二拠点や、島と継続的に関わる関係人口というモデルから始める。移住という大きな決断の前に、島との関わりを少しずつ太くしていく進め方があります。

ポイント 与論島で起業準備をする人が陥りやすいパターン

先走りがつまずきを生む構造

与論島

観光地として知られる小さな島で起業準備をする人には、よく似たつまずき方があります。最も多いのは、気持ちが先に動いて、準備より移住が先行してしまうパターンです。

島の暮らしに惹かれた勢いで先に移住し、それから何で生計を立てるかを考え始める。けれども限られた市場の中で事業の方向性が定まらず、貯えだけが減っていく。自己流で先に動いた結果、後戻りしにくい状況に自分を追い込んでしまうのです。

抜け出している人の多くは、順番を逆にしています。移住を決める前に、島の外で起業の基礎を学び、事業の方向性を固めてから島に持ち帰る。外で学んだ型を、与論島という場所に当てはめていく流れです。

与論島で起業準備に動くのは30代から50代が多く、移住の前に島外からの収入が月10万円から月20万円ほど見込めるかどうかが、その後の見通しを決めていきます。

  • 気持ちが先行し、準備より移住が先になる
  • 市場が小さく、移住後に方向性が定まらない
  • 外で学んで方向性を固め、島に持ち帰る順番に変える

ポイント 与論島起業の進め方

学びから移住へと続く順序

与論島

最後に、与論島での起業を現実に進める順序を整理します。大切なのは、勢いではなく段階を踏むことです。

はじめにすることは、起業の基礎と全体像を学ぶことです。起業18フォーラムの動画やセミナーで起業の考え方を学び、自分の事業の方向性を固めます。何で生計を立てるのかが定まって初めて、移住や立地の検討に意味が出てきます。

方向性が固まったら、与論町の移住相談窓口や支援制度を調べ、活用できるものを確認します。そのうえで、いきなり移住するのではなく、関係人口や二拠点という関わり方から段階的に島とのつながりを深めていきます。お試し移住という選択肢を間に挟むのも現実的です。

規模の感覚も大事です。拙著『会社を辞めずにあと「5万円!」稼ぐ』に、いきなり大きく稼ごうとせず、まず会社の外で月5万円を生み出すところから小さく始めるという考え方が出てきます。与論島での起業も、最初の小さな収入の柱を会社の外につくることから着手する。この姿勢が、無理のない一歩につながります。

  • 起業18フォーラムで基礎を学び方向性を固める
  • 与論町の移住相談窓口や支援制度を確認する
  • 関係人口・二拠点から段階的に島と関わる
  • いきなり移住せず、お試し移住も選択肢にする
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与論島の美しさは、訪れた人の心に長く残ります。その気持ちを、勢いではなく準備に変えていくことが、島で自分の事業を持つための確かな道筋になります。今いる場所でできることから、少しずつ始めていきましょう。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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