記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「メルカリを使って物販を試したいのですが、不要品処分の段階から先にどう進めば事業になるのか分かりません」。
起業18フォーラムには毎週のようにこの種の相談が届きます。家にあるものを出品してみた経験はあっても、その先の事業化への階段がイメージしづらい、というのが共通の困りごとです。
経済産業省が2025年8月に公表した『令和6年度電子商取引市場調査』では、2024年のBtoC-EC市場は26兆1,094億円、物販系BtoC-ECは15兆2,194億円・前年比+3.7%に達しました。EC化率は9.78%で、対面取引の1割近くがオンラインへ移っている計算です。物販を起業準備の入口にする場合、出品場所を選ぶことより「どの順番で進むか」を理解する方が遥かに重要です。
メルカリを起業の入口にする全体像

メルカリを運営する株式会社メルカリのプラットフォームは、登録のハードルが極端に低く、写真を撮って出品ボタンを押すだけで物販体験ができます。この入口の低さが最大の利点でもあり、同時に「不要品処分の段階で止まる人」が量産される原因にもなっています。
拙著『1億円稼いでいる人は何をしているのか?』では、起業を「陣取りゲーム」と表現しました。すでにお金が日常的に流れている場所に、自分の商品を置きにいく発想です。メルカリはまさに個人間で日々お金が流れている代表的な陣地で、自分の専門性が刺さるカテゴリに立てば成果が見えやすくなります。大切なのは、自分が「不要品処分」「仕入れ転売」「専門カテゴリ販売」のどの陣地にいるかを毎月確認し、滞留しないことです。
STEP 1 不要品処分の段階で得るもの

最初の段階で大切なのは収益額ではなく「物販の作法」を体で覚えることです。
- 商品撮影の最低限の構図と光の置き方
- 説明文に必要な情報項目(状態・付属品・配送方法)
- 梱包・発送の所要時間と送料設計
- 値下げ交渉への返答の型
- クレーム対応の初動
この5項目を不要品で経験しておくと、仕入れ転売に進んだときの初動コストがほぼゼロになります。不要品処分は「売って終わり」ではなく、後の段階で稼ぐための稽古場と捉えると価値が変わります。
STEP 2 仕入れに切り替える境目

不要品が尽きる前に、仕入れに切り替える判断を下す必要があります。判断軸は単純で、次の3つを満たす商品ジャンルが見つかるかどうかです。
- 自分が見て価値を判定できる領域(趣味・前職由来)
- 仕入れ単価と販売単価の差が2倍以上見込める領域
- 1品あたりの管理時間が30分以内に収まる領域
最初の仕入れは月1万円を上限に設定し、回転を確認してから増やすほうが、在庫リスクを抱え込まずに進めます。
仕入れ先はリサイクルショップ・古物市場・オンラインのジャンク扱い品など多岐にわたりますが、最初は移動時間が短く回転を確認しやすい店舗で十分です。回転が見えない段階で大量仕入れに走ると、在庫が押し入れを占領した上で資金が固定化してしまいます。
会員Tさんの実例(不要品処分から専門化へ)

起業18フォーラムの会員Tさん(50代前半・男性・電機メーカーで資材調達職・既婚で大学生子2人・趣味は写真)は、最初の半年を自宅の不要品処分で過ごしていました。月の売上は数千円から2万円の間を上下し、「これは事業にならない」という焦りだけが残っていました。
転機は起業18フォーラムの勉強会でした。「お金が動いている陣地に自分の専門性を運び込む」という議論に触れ、資材調達の現場で培った「目利き」の経験が自分の陣地になり得ることに気づきました。修正方針は明確で、不要品処分を停止し、特定機種のフィルムカメラの中古整備品販売に絞り込んだのです。
修正から6ヶ月目、最初の月収5万円を達成。10ヶ月目には月6万円ラインで安定し、リピート顧客が10人を超えるまでに育ちました。本業を続けながら、退職後に中古カメラ専門店を開く構想まで具体化しています。
専門化と物販を続けるための補完設計

専門化の先で長く続けるには、メルカリ単独運用にしないことが鍵です。
- 専門ジャンルの商品知識を月1回ブログまたはnoteに残す
- 過去購入者へ季節ごとに新着案内を送る
- 同ジャンルの仕入れ仲間とゆるい情報交換ネットワークを作る
商品知識を残しておくと、検索流入で「指名買い」してくれる顧客が育ち、価格競争に引きずられにくくなります。
新着案内は売り込みではなく「先日仕入れたものを写真でお知らせ」というスタンスが最適です。仕入れ仲間との情報交換は、希少な良品の流通情報を共有できる関係に育つと、ひとりで動くより倍以上の速度で専門性が深まります。

出品ボタンを押すという行為そのものが、物販を始める唯一の方法です。100時間考えるより、明日1つ出してみる方が学べることは何倍も多いはずです。
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