記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
コーチングサービスを起業準備中です。「最初は無料体験セッションで実績を積むべき」という意見と、「最初から有料にしないと相手にされない」という意見、どちらが正しいのでしょうか?

● 回答
日本政策金融公庫「2023年度新規開業実態調査」によると、起業初年度の最大の課題は「顧客・販路の開拓」(55.7%)です。多くの方がこの壁を前に「まず無料で試してもらえれば」と考えます。ただし、無料体験が機能する場合とそうでない場合があります。その分かれ目は「無料の先に何があるか」が設計されているかどうかです。
よくある誤解と実態
- 誤解①:無料にすれば多くの人に試してもらえる → 実態:「無料だから来た」人は有料転換しにくい
- 誤解②:有料にすると最初は誰も来ない → 実態:適切な価格は「真剣な参加者」を集める効果がある
- 誤解③:無料→有料が集客の王道 → 実態:本命サービスの設計がなければ無料体験は消耗で終わる
拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』に「フロントエンド商品とバックエンド商品」という考え方が出てきます。フロントエンドとは「入口になる低価格または無料の商品」、バックエンドとは「利益の中心となる本命サービス」のことです。無料体験が機能するのは、このフロントエンドからバックエンドへの導線が設計されている場合だけです。導線のない無料提供は感謝だけを集めて終わります。
起業18フォーラムの会員さんで、Fさん(仮名・40代前半男性)がいました。独立1年目にキャリアコンサルの試験的サービスを始めたFさんは、最初の3ヶ月目まで「すべて無料」で提供し続けました。感謝の言葉は多くいただけましたが、有料転換を打診した際に「今まで無料だったのに」と複数の方に引かれてしまい、結果0件に終わりました。
その後、2,500円の「30分スポット相談」をフロントエンドとして設定し、月25,000円のコンサルプランへの案内を加えたところ、翌月に2名の有料会員を獲得し、月収5万円のスタートを切りました。無料体験の目的は感謝を集めることではなく、本命サービスへの橋渡しをすることです。
無料・有料の使い分け判断基準
- 本命サービス(バックエンド)の内容と価格が決まっている → 低価格または無料のフロントエンドを作ってよい
- 本命サービスがまだ決まっていない → 先に「誰に何を提供するか」を決める
- 「無料で試してほしい」だけが目的 → 500〜3,000円の体験価格に変える
- 体験後に次のステップへのオファーを用意できる → 無料体験が機能する条件が整う
「本命サービスの内容と価格」を先に紙に書いてみてください。それが決まって初めて、体験セッションの価格と内容を設計できます。順番が逆になると、無料体験は消耗だけ残ります。

起業18フォーラムでも「無料でやりすぎて疲弊した」という話は定期的に届きます。提供する前に「この体験セッションは何に繋がるか」を一度確認してみてください。
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