記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「いつか時間ができたら始めよう。」そう思い続けた会員さんが、気づいたら3年経っていた、という話は珍しくありません。
起業18フォーラムへの相談で「時間がない」という声が上がらない月はないのですが、実際に起業準備を継続できている人たちの多くが、「暇だったから動けた」わけではないのです。むしろその逆で、制約があるからこそ動ける仕組みが生まれることがあります。
この記事では、多忙な会社員が起業準備を続けられる理由と、その具体的な動き方をお伝えします。
「時間がないと起業準備は進まない」が間違いである理由

「時間がない」という言葉には、物理的な時間不足と心理的な先延ばしという、ふたつの意味が混在しています。この区別ができていないまま「時間ができたら動く」と言い続けると、「落ち着く」タイミングは永遠に来ません。起業18フォーラムで26年間支援してきた経験から言えば、「時間ができたら動く」という人の多くは、時間ができた後も動き出さないのです。
なぜか。起業準備に必要なのは「まとまった時間」ではなく「決める習慣」だからです。「時間ができたら始める」という先延ばしは、起業準備においてもっとも長続きする障壁です。
むしろ逆説的なことに、忙しい人ほど「今週の30分で何をするか」を明確にせざるを得ない。その制約が、準備を前に進める力に変わっていることが少なくありません。
日本政策金融公庫が示す「勤務しながら起業」の成果

日本政策金融公庫が発表した「2025年度 起業と起業意識に関する調査」によれば、週35時間未満で事業に従事するパートタイム起業家のうち74.8%が「黒字基調」であると回答しています。
勤務しながら少しずつ動くという形が、起業の成功確率を下げるわけではないことは、データから明らかです。
また同公庫の研究では、勤務経験が長いほど廃業率が低い傾向も示されています。会社員としての日常は、起業の障害ではなく、強みの蓄積期間として機能しているのです。
- 行動が絞られることによる優先順位の自然な上昇
- 本業の人脈・スキル・経験が起業テーマの素材に直結
- 収入の安定による「焦りゼロ」での準備推進
残業月40時間のAさんが14ヶ月で動き続けた軌跡

40代前半・金融系SEのAさんは、妻と子ども1人の家族を持ち、月収48万円・残業月40時間という日々を送っていました。起業18フォーラムに入会した当初、Aさんが繰り返したのは「時間がないから、少し落ち着いてから動きたい」という言葉でした。
転機が訪れたのは2ヶ月目です。「忙しいのに動けている人は何が違うのか」と周囲を観察し始めたとき、差は「時間の長さ」ではなく「決定の速さ」にあることに気づきました。忙しい人は余分な迷いを削ぎ落とし、「今週やること」を1つに絞って動いていたのです。
- 2ヶ月目:昼休み30分を情報収集のみに充当
- 4ヶ月目:「自分のITスキル」をノートに書き出し
- 8ヶ月目:知人IT担当者への声かけ
- 14ヶ月目:週末ITコンサル案件受注・月12万円継続
Aさんが動けた理由は、時間を増やしたことではなく「今週の1つを決める習慣」を先に作ったことでした。
現在もAさんは会社員を続けながら、少しずつクライアントを増やしています。「残業が多い月でも、週に1回の作業だけは続けた」とAさんは話してくれました。
時間の制約を「仕組み」に変える3つのステップ

時間の制約を活かすためには、「量」を追うのではなく「仕組みを先に作ること」が重要です。
まず試してほしいのが、「週1回・同じ曜日・同じ時間」を起業準備の定時として予約することです。月曜の昼休みでも、金曜の退勤後のカフェでも構いません。「決まった場所・決まった時間」が習慣化の最短路です。
次に、その時間内でやることを「1つだけ」に絞ります。複数のことを詰め込もうとすると、忙しい週に全部できなかったとき心が折れます。1つだけなら、どんな週でも消化できます。
- 自分のスキルを箇条書きで10個書き出した一覧
- 起業後の「理想のお客さん」を1人具体的に書いたメモ
- 知人1人への「こんなことができます」という声かけの実施
そして3つ目が、「今週の1つが進んだら成功」という定義を自分の中に作ることです。拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』でお伝えしているのですが、まず20点でいい。完璧を求めずに動き始めることが、長期で続けるための鍵です。
多忙な状態は永遠には続きません。しかし、その間に「動く習慣」を作れた人は、時間が生まれたときに一気に加速できます。
まとめ:「時間がない」は終わりではなく始まりです

「時間がないから今は無理」という考えは、ある意味で自分を守るための防衛線です。起業18フォーラムで26年・6万人以上を支援してきた経験から言えば、「状況が整ったら動く」という人の多くが、整った後も別の理由を見つけます。
起業準備に必要なのは、まとまった時間ではなく「決める習慣」です。
日本政策金融公庫のデータが示すとおり、勤務しながら少しずつ動いた人の多くが黒字基調に到達しています。あなたの「今の忙しさ」は、起業準備の障害ではなく、集中力と決断力を鍛える場として機能する可能性があります。

まず1つ。今週の昼休みに、「自分が得意なこと・やってきたこと」を紙に書き出してみてください。それだけで、Aさんが14ヶ月前に踏み出した最初の一歩と、同じことをしたことになります。
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