記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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Udemyに動画を1本上げてみたものの、3ヶ月経っても受講者ゼロ。レビューもほぼ付かず、自分のコースが検索結果のどこにも出てこない。最近、起業18フォーラムにこういう声がよく届きます。
原因の多くは、コースの中身ではなく、コースを世に出すまでの順序にあります。在職中の限られた朝晩の時間で、いきなり「収録機材」「マイク」「動画編集ソフト」から手を付けてしまい、肝心の「誰の何を解決するコースか」が空白のまま完成してしまう。私のところに月に何度もこの種の相談が来ます。
今日は、Udemy(米Udemy, Inc.提供)を会社員のまま使い倒すために、拙著『会社で働きながら6カ月で起業する』(ダイヤモンド社)でお伝えしている「マインド → 商品づくり → マーケティング → 販売力・信用力」の180日4ステージに沿って、Udemyの仕組みと相性の良い動かし方を整理していきます。
Udemyを起業準備に活かす全体像

Udemyは、世界中の社会人が動画コースを売り買いできるプラットフォームです。コース価格は基本2,400円から27,800円の範囲で講師が設定でき、講師の手元に入る金額はどう集客されたかで3つに分かれます。
- Udemy公式マーケットからの販売:講師の取り分は売上の37%(残りはUdemy側のマーケ・運営費)
- 講師自身のクーポン・紹介リンク経由:講師の取り分は売上の97%
- モバイルアプリ決済:上記から決済手数料30%が控除
このうち会社員時代に注目すべきは2番目です。自分のSNSやブログから自分のクーポンで売れば、ほぼ全額が講師に入ります。一方Udemyの集客力に頼り切る1番目だけだと、価格が下がりやすい運営側のセールに巻き込まれて取り分が薄くなります。
Udemyが向いている時間の使い方
Udemyの強みは、収録した動画が資産として残り続けることです。会社員のまま週に2、3時間しか起業準備に使えない人にとっては、ストック型のコースが翌月以降も同じ時間で売上を運んでくれる構造はかなり相性が良い。逆に、毎月新しい講座を作り続けないと回らないライブレッスン型のサービスは、平日夜と週末を全部潰す前提になりがちです。
Udemyが向いている人・向いていない人

Udemyは万人向けではありません。私のこれまでの起業支援の経験では、次のような特徴を持つ会社員のかたは伸びやすい一方、別タイプはストアカ・コーチング・コンサル等に切り替えたほうが時間効率が出るケースが多くあります。
- 仕事で何度も同じ説明を後輩にしてきた経験がある
- マニュアル・手順書・社内研修資料を作るのが好き
- 3ヶ月くらいかけて1本のコースを丁寧に磨ける性格
- 直接1対1のやり取りより、書く・録るほうが負担が少ない
- 受講者の質問にすぐ反応してあげたい性格
- その場の空気でアドリブを乗せて教えるのが楽しい
- 1ヶ月以内に収益を出したい急ぎの事情がある
- 技術トレンドが半年で変わる領域しか教える材料がない
Udemyは「丁寧な録画 + 継続レビュー」が前提のため、ライブで人と関わる楽しみが起業準備の動機になっている人には窮屈に感じやすい。ここを無視して始めると、3ヶ月で気持ちが冷めて放置コースが量産されます。
「待っているだけ」の罠
もうひとつ、向いている/向いていないと同じくらい重要な前提があります。SNSにほんの少しだけ発信し、Udemyに動画を1本掲載しただけで、お客さんが来るのを座って待っている人がやっぱり多い。それだけで人の目に触れて勝手に売れていくことは、残念ですが起こりません。Udemyの中の検索結果の何百件も並ぶコースの中で、あなたの動画にだけ光が当たる理由が必要です。
専門家として認知されて、信用される必要があります。だから、待っているだけではダメで、最初の段階では周りの会社員の知人に声をかけて、モニターとして見てもらうところから始めるといいのです。
拙著の「180日4ステージ」をUdemyに当てはめる

拙著『会社で働きながら6カ月で起業する』に「マインド → 商品づくり → マーケティング → 販売力・信用力」という180日4ステージのロードマップが出てきます。これをそのままUdemyに当てはめると、半年の動かし方が一気に見通しやすくなります。
ステージ1:マインド(1〜30日目)
ここはUdemyの管理画面を開く前の準備段階です。「今の仕事で、社内の後輩や他部署の人に、何度も同じ質問をされてきたか?」を書き出します。コースのテーマは、ここで出てきた具体的な「困っている人の顔」から決めるのが安全です。
ステージ2:商品づくり(31〜90日目)
ここで初めてカリキュラムを設計し、収録に入ります。Udemyの審査基準では、講義時間30分以上・5レクチャー以上・HD画質が最低条件です。最初の1本は2時間前後・10〜15レクチャーが扱いやすい。完成度を上げるより、知人モニター5人に「どこで止まったか」「どこで巻き戻したか」を聞き取れる状態を優先してください。
ステージ3:マーケティング(91〜150日目)
Udemy公式マーケットに頼るルートと、自分のクーポンURLで売るルートを並走させます。前述の通り、講師の取り分は前者37%、後者97%。在職中の最初の100本までは「自分のクーポン経由でレビューが付く」状態を最優先にしたほうがあとが楽になります。レビューが付かないコースは、Udemyの内部検索でほぼ表示されません。
ステージ4:販売力・信用力(151〜180日目)
レビューが30件を超えた頃から、外部から検索でも入ってくるようになります。この段階で、コースの一部を切り出してYouTubeに無料公開し、概要欄からUdemyのクーポンへ誘導する経路を作ると、講師取り分97%のルートが太くなります。朝晩30分の時間配分も、商品づくりから集客導線づくりへとここでスライドさせるイメージです。
Udemyで成果を出す会社員の3つの共通点

26年・延べ6万人以上の会社員の起業準備を見てきた経験から、Udemyで月3万円〜10万円のレンジに乗せる人には、はっきりした共通点があります。
- 共通点1:「教えたいこと」ではなく「自分が困っていた頃に欲しかった授業」を撮る
- 共通点2:完成度80点でとにかく1本公開し、モニター5人のレビューを起点にする
- 共通点3:Udemy内の集客に頼り切らず、note・X・YouTubeを「入口」にして自分のクーポンへ流す
このうち共通点1が最も誤解されています。Udemyで売れているコースの大半は、最先端のスキルではなく「3年前の自分が手探りで悩んだ実務」をていねいに言語化したものです。会社員生活の中での失敗、上司に怒られた手戻り、新人の頃に教えてもらえずに困った手順。そこにこそ、お金を払ってでも先回りで知りたい人がいます。
「困っていた自分への手紙」発想
私が会員さんに必ず伝えているのが、「自分が3年前に困っていたあの瞬間に、いまの自分がコースを送るとしたら何を撮るか」という問いです。これに沿うとコースの順序は自然と決まります。先に概念から入らず、当時の自分が直面した具体的なつまずきから入る、という順序です。この順序ができていないコースは、レビューに「内容は良いが進度が早すぎた」と書かれて評価が伸び悩みます。
会員さんの実例:自己流3ヶ月ゼロ売上から月収9万円まで

起業18フォーラムにいる池田さん(仮名・30代後半・男性・大手SIerのシステムエンジニア・妻と幼児1人)は、最初は独学でUdemyを動かしていました。自分が大学時代から触っていたJavaの入門コースを2本収録し、Udemyに掲載。3ヶ月経っても売上ゼロ、レビュー1件、内部検索でもほぼ表示されない状態が続きました。
起業18フォーラムに参加して、勉強会で「教えたいこと」と「困っていた自分への手紙」が違うものだと気づいたのが転機でした。Javaの入門という一般的なテーマをやめ、自分が情報システム部に異動した最初の2年で実際に困った「IT部門の業務改善:Excel × Pythonで定型レポートを10倍速くする」という1テーマに絞り直しました。
そのうえで、社内の同期エンジニア5人にモニターレビューを依頼し、3週間で初期レビューを獲得。7ヶ月目で受講者は累計320人を超え、月収は安定して9万円。現在は2本目のコース(業務マニュアル自動生成)を撮影中で、来春の独立候補のひとつとして検討段階です。
自己流期からどこを変えたか
- 自己流期:誰でも知っているテーマ/完成度100点を目指して半年寝かせる/公開後は放置
- 自己流期:Udemy公式の集客に依存/クーポン経由は0件/レビュー獲得の仕組みなし
- 自己流期:朝晩30分は「動画編集の練習」に消えた/受講者像があいまい
- 修正後:困っていた頃の自分が読者/完成度80点で公開/知人5人モニター
- 修正後:自分のクーポン経路97%取り分を主軸/公式集客は補助
- 修正後:朝はレビュー返信/夜は次レクチャー収録/受講者像は元自分
この記事を読んで「自分も似た失敗をしている」と感じたら、まずはUdemyの管理画面を閉じて、3年前のあなたが困っていたあの瞬間を一行だけ書き出してみてください。そこからしか「困っていた自分への手紙」は始まりません。
Udemyと組み合わせると効果が倍増する3つの行動

Udemyを単独で使うのではなく、ほかの行動と組み合わせると半年〜1年での伸びが大きく変わります。私が会員さんに必ずお勧めしている3点を、優先順位の順に紹介します。
行動1:noteで「コースの裏側」を月2本書く
noteの記事を読んだ人がUdemyのクーポンURLに飛ぶ動線を作ります。コース内容そのものを丸写しするのではなく、コースを作る過程で気づいた現場の本音を書く。この経路で売れた受講者は、Udemy公式から来た受講者よりレビュー記入率が3倍以上高いのが体感です。
行動2:知人5人モニター制度を最初の1本に必ず入れる
会社員時代の同僚・元同期・取引先の友人など、業務的に近いところにいる5人にモニター視聴をお願いします。この5人には完成2週間前のラフ版を見てもらい、つまずいた箇所と巻き戻した箇所をメモしてもらってください。レビュー獲得とコース改善が同時にできる、もっとも費用対効果の高い行動です。
行動3:YouTubeに「コースの一部」を無料公開する
Udemyのコース全体の中から、最初のレクチャー1本(10〜15分)をYouTubeに切り出します。概要欄に自分のUdemyクーポンURLを置く。YouTubeから来た受講者は、講師取り分97%のクーポン経路で入ってくるため、同じ受講者数でも手取り収入が2倍以上違います。在職中の朝の30分はこの動線設計に充てるのが、いちばん時給換算が高い使い方です。

Udemyは、会社員のまま「教える側」に回るための足がかりとして、時間と相性のよい仕組みです。180日4ステージで設計を組み立て、自己流期に陥りがちな「待っているだけ」を脱して、3年前の自分への手紙を1本だけ撮るところから動き出してみてください。
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