起業準備の6ヶ月ロードマップ|会社員のまま朝晩30分で進める100階段の登り方

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

「いつか動こう」と何年も止まったまま、また一週間が過ぎてしまう。ロードマップが見えていない状態で行動を起こそうとしても、人は動けません。何月に何をするのかという全体像があってはじめて、朝の30分・夜の30分が積み上がる時間に変わっていきます。

このページでは、会社員のまま起業準備を進めていく6ヶ月のロードマップを、月別の動きと朝晩30分の使い方に分解して整理していきます。

ポイント 6ヶ月で形にする「100階段」全体像

半年逆算の全体地図

会社員

起業準備で最も大事なのは、いきなり大きな一歩を踏み出すことではなく、小さな100段の階段に分解することです。拙著『会社を辞めずに朝晩30分からはじめる起業』に「100階段カリキュラム」という言葉があります。1階段あたり朝晩30分、半年で約100ステップ進む設計です。

日本政策金融公庫の2024年度新規開業実態調査では、新規開業者のうち50代が16.5%、60歳以上が6.3%で、合計22.8%が50歳以上です。つまり5人に1人以上が50代以降に動き始めているのですが、その多くは退職してから走り出すため、最初の客がつかめずに資金を溶かします。会社員のうちにロードマップを引いておけば、退職前に最初の収入が立つ状態を作れます。

ポイント 6ヶ月を2つの前半・後半に分ける

前半は仕込み・後半は試運転

会社員

6ヶ月を一気に走るのではなく、前半(1〜3ヶ月目)と後半(4〜6ヶ月目)の2段階に分けます。前半は仕込み期間、後半は試運転期間です。

前半・後半それぞれの軸

  • 前半(1〜3ヶ月目):自分の整理・事例の収集・最小の商品設計
  • 後半(4〜6ヶ月目):知り合いへの試運転・最初の1円・継続2人目の獲得
  • 前半で頭が動き、後半で手と口が動く構造

よくある失敗は、前半をスキップして後半から走り始めることです。仕込みのない走り出しは方向音痴になり、半年後に「結局何がやりたかったか」を見失います。

ポイント 朝晩30分という時間の正体

所要時間ではなく接続時間

会社員

朝晩30分は「時間量」ではなく「接続点」です。1日に1時間しかなくても、それが180日続けば180時間になります。問題は時間量ではなく、毎日同じ時間帯に起業準備の思考に戻ってこられるか、です。

起業18フォーラム会員のAさん(仮名・40代後半・男性・営業職・既婚・子2人)は、最初の3ヶ月、平日の朝5時半から30分・夜10時から30分の枠を死守する設計から始めました。スタート時点は会社員月収48万円・起業準備の収入はゼロ・経験ゼロでした。3ヶ月目に営業現場で困っている人の整理メモを読み返す習慣がつき、5ヶ月目に最初のモニター顧客2名、7ヶ月目に有料化、13ヶ月目に月5万円の継続収入に到達しています。在職のまま、退職を急がず階段を一段ずつ登っている状態です。

ポイント 月別ロードマップ・前半

1〜3ヶ月目の仕込み三段

会社員

前半の3ヶ月は、頭を動かす時間です。机の前で「自分・事例・商品」の3つを順番に深めていきます。順番がとても大事です。

1ヶ月目:自分の棚卸し

1ヶ月目は自分の棚卸しです。過去20年の職務経験・困った人を助けた場面・「ありがとう」と言われた瞬間を、毎晩30分ずつ書き出していきます。最初の30日で、自分の中にある原料を全部見えるところに出す作業に集中してください

朝の30分は「読む」、夜の30分は「書く」

朝は他者の事例を読む時間、夜は自分の経験を書き出す時間に使います。順番を逆にすると、他者の事例に引っ張られて自分の経験が混ざってしまいます。

スキルがないと感じている人ほど、書くべき棚卸しが多い

「自分には何もない」と思っている人は、実は20年の会社員経験で身につけた当たり前すぎることに価値を感じていないだけです。経理を15年、営業を10年、SEを20年やった経験は、それ自体が他者にとっての商品の種です。

2ヶ月目:他者の事例を集める

2ヶ月目は事例集めです。起業した会員の業種一覧や本・ニュースから、200件ほどの事例を浅く広く集めます。深く読み込まなくていいので、自分の感覚で「気になる」「気にならない」を仕分けるだけで十分です。

事例集めのフォーマット

  • 業種・対象顧客・提供方法の3点だけメモ
  • 「自分もやれそう」「自分には無理」を直感で印
  • 200件のうち気になるものは20〜30件で十分

3ヶ月目:商品の最小単位を決める

3ヶ月目は商品の最小単位を決めます。最初から完成形を考えると動けないので、単価1万円・60分・1対1という最小単位からスタートします。「単価1万円ではビジネスにならない」と感じるかもしれませんが、最初は売れることが正義です。1円稼げれば景色が変わります。

ポイント 月別ロードマップ・後半

4〜6ヶ月目の試運転

フリーランス

後半の3ヶ月は、頭から手と口を動かす時期です。前半で集めた素材を使って、知り合い10人に話しかけ、最初の試運転をしていきます。

4ヶ月目:知り合い10人に話す

4ヶ月目は知り合い10人に話します。まず売り込まず、自分が今後やろうとしていることを共有するだけで十分です。10人のうち、必ず1〜2人が「気になる」と反応します。最初の客は広告から来ません。会社の名刺を外したときに残っている関係性から来ます

5ヶ月目:最初の1円を稼ぐ

5ヶ月目は最初の1円を稼ぐ月です。4ヶ月目に話した知人のうち反応のあった人に、最小単位の商品を提案します。単価は千円でも3千円でも構いません。1円稼いだ瞬間、自分が事業者だという自覚が芽生えます。これは何冊の本を読んでも手に入らない感覚です。

5ヶ月目で起こりがちな失敗

  • 無料モニターから抜け出せず、有料化のタイミングを逃す
  • 商品の完成度が60点だからと提案を先延ばしする
  • 金額交渉が苦手で、知人だからと値下げしてしまう

20点でいいので、出してみることです。完璧な100点を待っていると、半年が1年に伸び、1年が2年に伸びていきます。

6ヶ月目:継続2人目を作る

6ヶ月目は継続2人目の獲得です。1人目から得た感想・改善点を反映させ、2人目に提案します。1人目と2人目の間に橋が架かれば、1年後には10人を超える顧客リストが目に見えてきます。

在職のまま続けるか、退職を急ぐか

6ヶ月目で月収3〜5万円の継続が見えてきても、すぐに退職する必要はありません。在職のまま1年半〜2年で月10万円〜20万円の継続収入を作るほうが、現実的に独立後の生活が安定します。

ポイント ロードマップが続く人と止まる人の差

仕組みで動く時間設計

フリーランス

ロードマップを描いても、続く人と途中で止まる人がいます。差は意志の強さではなく、仕組みの作り方にあります。続く人に共通するのは、朝晩30分の枠を「予定」ではなく「インフラ」として設置している点です。

続く人の3つの共通点

  • 毎週月曜の朝、その週のロードマップ進捗を5分でレビュー
  • 進まなかった週があっても自分を責めず、翌週に小さく修正
  • 誰か1人に進捗を共有する相手がいる

3点目の「進捗を共有する相手」を持つかどうかで、半年後の到達点は大きく変わります。会社の同僚でなく、起業準備をしている仲間が望ましく、フォーラム・コミュニティ・勉強会の活用が効きます。

朝晩30分は、最初の1週間は短く感じます。でも3ヶ月続いた頃には、その時間がなければ自分が成り立たないという感覚に変わります。半年後の景色は、今夜の30分から始まります。今夜、まず手帳を開いてください。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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