記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「起業するなら会社を作るべきですか?」という質問を、起業準備中の会社員から何度も受けてきました。
答えは明快です。起業準備の段階では、個人事業主から始めることが圧倒的に合理的です。
今日はその理由をできるだけ具体的にお伝えします。
「起業=法人設立」ではない。この誤解を最初に解く

「起業=株式会社を作ること」と思っている方が意外と多いのですが、それは正確ではありません。個人事業主として開業届を提出して仕事を始めることも、れっきとした起業です。
法人設立(株式会社・合同会社)には、設立登記の費用と手間がかかります。株式会社の設立には20万円〜25万円程度、合同会社でも6万円〜10万円程度の費用が必要です(定款認証・登録免許税等の目安)。対して個人事業主は、税務署への開業届を提出するだけで費用はゼロです。
- 法人設立:株式会社なら約20〜25万円、合同会社なら約6〜10万円(目安)の設立費用が発生
- 個人事業主:開業届の提出のみ。費用ゼロ。当日から事業を始められる
- 廃業する場合:個人事業主は廃業届のみ。法人は解散・清算の手続きが必要
この違いを知ってから「どちらが今の自分に合っているか」を判断してください。
「法人化」を検討すべき3つの目安と、起業準備段階では該当しない理由

一般的に言われる法人化の3つの目安
法人化が合理的になるタイミングについては、一般的に以下の3つが目安として挙げられることが多いです(税理士や状況によって判断が異なる場合があります)。
- 年間の所得が800〜900万円を超えてきた(所得税より法人税のほうが有利になるライン)
- 売上が1,000万円を超え、消費税の納税義務が発生するタイミング(課税事業者の判定)
- 取引先から「法人でないと契約できない」という要請があった
起業準備段階では、ほぼ該当しない
今、起業準備を始めたばかりの段階で、上記の3つすべてに該当する方は非常に少ないはずです。まだ売上がゼロに近い段階で法人を作ると、毎月の固定費(社会保険料・税理士費用・法人住民税の均等割など)だけが発生し、動き始める前から経営を圧迫します。
「先に形を整えたい」という気持ちはよくわかります。でも形よりも先に「最初の1円を稼ぐ」ことを優先させてください。
個人事業主から始めると得られる3つのメリット

「ミニマムスタート」は「手を抜く」ことと違います。小さく始めることには、明確な合理性があります。
- 手続きの簡単さ:開業届1枚で始められ、いつでも方向転換できる
- 失敗コストの小ささ:試行錯誤しながら事業の形を作れる。法人化後の廃業より格段に傷が小さい
- 事業内容の柔軟さ:「やってみてわかること」に合わせて商品・サービスを変えられる
起業18フォーラムの会員さんの多くが、個人事業主としてスタートし、事業が軌道に乗り始めてから法人化を検討するという順番で動いています。起業のゴールは「法人を作ること」ではなく、「続けられるビジネスを育てること」です。
「早まって法人化した」人が後悔する典型パターン

これまで相談を受けた中で、法人を先に作ったために動きにくくなってしまった方のパターンがあります。
- 毎月の社会保険料の負担が想定より重く、売上が少ない時期に苦しくなった
- 税理士費用など固定コストが先行し、利益が出にくい体質になった
- 決算・法人税申告などの事務作業に時間を取られ、本来やりたいことに集中できなかった
法人化は「経営の発展に応じて選ぶ手段」であり、「先に選ぶ目標」ではありません。今すぐ必要でないなら急がない。その判断が、起業準備の初期段階では賢い選択です。
今日から動き始める。まず個人事業主として最初の1円を

個人事業主として開業届を出して、最初のお客さまに価値を届ける。この順番で動き始めれば、法人化のタイミングは自然に見えてきます。
法人か個人かよりも、「誰に何を売るか」を先に決めることの方が、100倍大事です。形を整えるより先に動いてみてください。一緒に考えていきましょう。
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