記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「ホームページは作ったのに、地元のお客さんが一人も来ない」。地域密着型のサービス業を始めた人から、この相談が本当によく届きます。
作ったのは自分だけが知っている看板で、地元の人が「近くで◯◯してくれる店ないかな」と検索しても出てこない。地元のお客さんに見つけてもらう入口は、多くの場合ホームページの前にあります。
今日はその入口の整え方を、現場で見てきた形でお伝えします。
結論:「地図で見つかる動線」を先に整える

地元のお客さんに見つけてもらう準備で、まず整えるのはホームページではありません。地元の人がGoogleで「近くの◯◯」を探した瞬間に、あなたの情報が上に出てくる状態を先に作ることです。
その受け皿になるのが、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス/Google LLC提供)です。Google検索やマップに、お店の場所・営業時間・電話番号・写真・クチコミが表示される、あの枠を管理する無料のサービスです。2021年11月にGoogleマイビジネスから名称が変わり、いまはGoogle検索やマップから直接編集できるようになりました。
検索やSNSは、いまや地域のお店やサービスを探すときの主要な入口です。そのぶん、地元の人が最初にあなたを知る場所も、たいてい検索結果か地図の中です。ホームページを一枚作るより先に、この地図の枠を押さえておくほうが、地域では順番として理にかなっています。
ホームページ作成とは別のレイヤーだと分けて考える

Jimdo・Wix・ペライチといったホームページ作成ツールと、Googleビジネスプロフィールは、役割がはっきり違います。ここを混同すると、片方だけ作って安心してしまいます。
ホームページ作成ツールは「自分の看板ページ」を作る場所です。何屋さんで、どんな困りごとを引き受けるのかを、自分の言葉でじっくり伝えられます。一方でGoogleビジネスプロフィールは「地域で検索された瞬間に見つかる動線」を作る場所です。近所の人が探しているそのときに、地図の上に顔を出す役目を担います。
- ホームページ作成ツール(Jimdo・Wix・ペライチ等):
自分の看板ページを作り、来てくれた人にじっくり伝えるレイヤー - Googleビジネスプロフィール:
地域で検索した瞬間に地図・検索結果へ顔を出す動線のレイヤー - 両者の関係:
地図で見つけた人が、詳しく知りたくてホームページへ進む流れ
順番でいえば、地域密着のサービス業なら地図の動線を先に整え、看板ページはその後で構いません。地元のお客さんは「まず地図で探し、気になったら詳しいページを見る」という動き方をするからです。
準備の全体像:登録・オーナー確認・情報の充実の3段階

Googleビジネスプロフィールを地域の入口にするまでは、大きく3つの段階に分かれます。難しい設定はなく、順番に進めれば埋まっていきます。
段階1:プロフィールを追加する
まずビジネス名・業種・エリア・連絡先を登録します。Googleの公式ヘルプでも、ビジネスは無料で追加または申請できると記載されています。店舗を構える形でも、お客様のところへ訪問する形でも登録できます。
段階2:オーナー確認を済ませる
登録しただけでは、まだ自分の店として認められていません。本当にそのビジネスの持ち主かを確かめる「オーナー確認」を通す必要があります。この確認を後回しにすると、写真もクチコミ返信も自分では編集できないままになります。
確認は、画面に表示された方法で進めます。方法には、電話やテキストメッセージで受け取るコード、メール、ハガキの郵送、動画の録画、Googleサポートとのビデオ通話などがあります。ハガキの場合、公式ヘルプではコードは通常14日以内に届き、30日を過ぎると期限切れになると案内されています。
段階3:情報を充実させて公開状態にする
確認が済んだら、営業時間・写真・サービス内容を埋めていきます。ここまで来て、ようやく地域の人に「ちゃんとした店」として見えるようになります。
「登録して終わり」を防ぐ地域の陣取りという考え方

多くの方が、確認まで済ませたところで手を止めます。ですが地域集客で差がつくのは、そこから先です。拙著『1億円稼いでいる人は何をしているのか?』では、起業を「陣取りゲーム」にたとえて紹介しています。ゼロから需要を生み出すのではなく、すでにお金や人の流れがある場所に、先に自分を置いておくという考え方です。
地域でいえば、その流れは「近くの◯◯」で検索する地元の人たちの動きそのものです。その検索が起きている地図の上に、写真もクチコミも整った状態で先に陣取っておくことが、地域集客の要になります。
同じ業種の店が3軒並んでいて、1軒だけ写真が豊富でクチコミにも丁寧に返事をしていれば、初めての人はまずそこを選びます。登録という入場券を手にしただけで満足せず、地図の上で選ばれる状態まで持っていく。この一歩が、登録して終わる人との分かれ目になります。
会員さんの実例:クチコミの蓄積が問い合わせを呼び続けた

起業18フォーラムにいる宮下さん(仮名・40代・男性・地域密着サービス業)は、独立を考え始めた頃、自己流でGoogleビジネスプロフィールに登録だけ済ませていました。写真は開業時に撮った1枚きり、クチコミにも返事をせず、しばらく放っておいたそうです。半年経っても、地図から連絡が来ることはほとんどありませんでした。
転機は、起業18フォーラムに参加して、勉強会で「流れているところに先に自分を置く」という陣取りの考え方に出会ったことでした。宮下さんは、登録がゴールではなく、地図の上で選ばれる状態を作るところからだと気づいたと話してくれました。
そこからやり方を変えました。施工の前後がわかる写真を月に数枚ずつ足し、届いたクチコミには一件ずつ、その人の状況に触れて返事をする。特典やお知らせを、Googleビジネスプロフィールの投稿機能で定期的に出す。派手なことはせず、これを続けたそうです。
クチコミと写真が積み上がるにつれて地図での見え方が変わり、9ヶ月目には地図から直接届く問い合わせが毎月安定して入るようになりました。一度書かれたクチコミは消えずに残り、次の人が選ぶ材料になり続けます。宮下さんは「一枚ずつ足した写真が、あとから効いてくる」と実感したそうです。
地図で選ばれる状態に近づける3つの行動

登録とオーナー確認が済んだら、次の3つを地道に回していきます。
- 作業や商品の写真を定期的に足す:
公式ヘルプでも写真と動画の投稿ができると案内されている。施工前後やメニューなど、地元の人が「頼んだら何が起きるか」を想像できる一枚を選ぶ - クチコミに一件ずつ返事をする:
クチコミの収集と返信は公式の機能。定型文でなく、その人が触れた点に一言添えると、まだ来ていない人が読んだときの印象が変わる - 投稿機能でお知らせを出す:
営業時間の変更や季節のお知らせを出し、放置された店ではなく動いている店だと伝える
この3つは、一気にやろうとせず、週に一度どれか一つに触れる程度で構いません。地図での見え方は積み上げで変わっていくので、続けること自体が地域での陣取りになります。
よくある質問

Q.Googleビジネスプロフィールの利用にお金はかかりますか?
公式ヘルプでは、マップと検索でビジネスの表示を無料で管理できると案内されています。ビジネスの追加・申請も無料です。有料の広告とは別の枠なので、まず無料の範囲で情報を整えるところから始められます。
Q.店舗を持たず、お客様のところへ訪問する形でも登録できますか?
登録できます。公式ヘルプでも、実店舗を持つビジネスと、お客様のもとを訪問するビジネスの両方が対象とされています。訪問型の場合は、対応できるエリアを設定する形になります。地域密着のサービス業なら、この形が合うことが多いです。
Q.ホームページとどちらを先に用意すべきですか?
地元のお客さんに見つけてもらう目的なら、Googleビジネスプロフィールを先に整えるのがおすすめです。地図で見つけた人が、詳しく知りたくなってホームページへ進むという順番になるためです。ホームページは、動線を整えたあとで、伝えたいことをじっくり載せる場所として用意すれば十分間に合います。
次のステップ:近隣店のプロフィールを3件眺めてみる

今日できることは、自分の業種で近所の同業のGoogleビジネスプロフィールを3件だけ眺めてみることです。写真の数、クチコミへの返事、投稿の有無を見比べると、地元で選ばれている店が何を積み上げているかが見えてきます。そこが、あなたが地図の上で陣取りを始める最初の目印になります。

地域で見つけてもらう準備は、登録から始まって、写真・クチコミ返信・投稿の積み上げで地図の上での見え方が育っていきます。派手な仕掛けよりも、続けられる形を先に決めることが、地域では効いてきます。
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