朝の30分で起業準備は進む? 何から手をつければいいか分からない人へ

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

小さい子どもがいて、平日は出勤前の朝の30分くらいしか自分の時間が取れません。いつか自分で何か始めたい気持ちはあるのですが、たった30分で起業準備なんて本当に進むのでしょうか?

起業前質問集

● 回答

まず順番から整理しましょう。朝の30分は、起業準備にとって十分すぎる時間です。むしろ、時間が限られているほど、何をやらないかがはっきりして準備が前に進みます。

総務省の就業構造基本調査(令和4年)では、いまの仕事を続けながら別の仕事もしたいと考える追加就業希望者が493万人にのぼり、5年前より約93万人増えています。勤めながら次の一歩を探している人は、あなたが思うよりずっと多いということです。その多くが、まとまった時間ではなく細切れの時間で動いています。

30分でやるのは「作業」ではなく「観察と記録」

朝の30分を、何かを作る時間や勉強する時間にしようとすると、たいてい中途半端で終わって自己嫌悪になります。最初の数ヶ月は、作業ではなく観察と記録に使うのがおすすめです。

具体的には、自分が一日のなかで「人より苦もなくやれていること」や「同僚によく聞かれること」を、スマホのメモに一行ずつ書きためていきます。起業のタネは新しく作るものではなく、すでに自分の中にあるものを見つけ出す作業です。30分あれば、観察した気づきを一つ書き留めるには十分足ります。

続く時間設計だけが、半年後の差になる

拙著『会社を辞めずに朝晩30分からはじめる起業』では、まとまった時間を待つより、毎日触れ続けられる短い時間を確保するほうが結果につながると紹介しています。本書では、通勤に時間と体力を奪われてクタクタになる働き方の非効率さにも触れていて、朝の頭が冴えた30分こそ価値が高いと整理しています。

大切なのは長さではなく、毎日同じ時間に机に向かう習慣のほうです。朝の30分を半年続けた人は、合計で90時間ぶんの思考を積み上げたことになります。これは週末にまとめて取り組もうとして三日坊主で終わる人には、決してたどり着けない量です。

習慣にする最初のコツは、時間を増やそうとしないことです。30分を45分に伸ばそうとした瞬間に、続かなくなる人をたくさん見てきました。まずは「平日の朝、起きたら一番にメモアプリを開く」という動作を一週間だけ続けてみてください。内容の良し悪しは、習慣が定着してから考えれば十分間に合います。

会員さんの実例:未就学児がいる村瀬さん

起業18フォーラム会員の村瀬さん(仮名・30代前半・IT企業のシステム開発職・3歳の子の父)は、最初「平日は朝の30分が限界で、これでは何も進まない」とこぼしていました。情報収集に手を出しては、気づくと30分が過ぎているという状態が続いていたそうです。

転機は、自分のなかの当たり前を疑ってみたことでした。職場で後輩から「資料の作り方を教えてほしい」と頻繁に頼まれていたことを思い出し、朝の30分を「後輩に説明するつもりの手順メモ作り」に切り替えたのです。3ヶ月でメモが一冊分たまり、それを下地に資料作成のテンプレート販売を小さく始めました。

12ヶ月目には、会社に勤めながら月5万円ほどの収入になりました。明日の朝の30分は、検索を閉じて、職場で人に聞かれたことを3つだけ思い出してメモに書き出してみてください。そこに、あなたが30分で育てられる起業のタネが眠っています。

朝の30分で起業準備は本当に進む? 子育て中エンジニアが積む4STEPは
● 質問 30代後半、自動車メーカーの設計エンジニアです。3歳の子どもが起きる前の朝5時から30分だけ起きて準

時間が足りないことは、起業準備をあきらめる理由にはなりません。短い時間を毎日積み重ねた人だけが、半年後にまったく違う景色を見ています。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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