記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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「メルカリもココナラも一度はのぞいたけれど、全国の出品者と価格で並ぶと自分がどこにいるのか分からなくなる」。そんな声も増えています。全国規模のサービスで埋もれてしまう人ほど、足元の地域に目を向けると景色が一変します。
地域の掲示板ジモティー(株式会社ジモティー提供)は、地域でずらして最初のお客さんに出会う入口として活用しやすいサービスです。
この記事では、起業準備でジモティーをどう位置づけるかを、「地域でずらす」という一本の軸で整理します。
ジモティーを起業準備に活かす全体像

ジモティーは、住んでいる地域を軸に「売ります・あげます」「教えます」「メンバー募集」などをやり取りできる地域の掲示板です。出品自体は無料で、近くの人と直接会って手渡しする取引なら手数料もかかりません。
配送を伴う場合はオンライン決済という仕組みがあり、販売価格に応じた手数料がかかります。手数料率や条件は取引方法によって変わり、見直しも入るため、使う前に必ず公式の案内で最新の内容を確認してください。
起業準備の入口として見たとき、ジモティーの価値は価格の安さではありません。同じ地域に住む相手と直接会えるという距離の近さが、最初の信用をつくる土台になります。全国規模のサービスでは、あなたは何万人もの出品者の一人にすぎません。地域に絞れば母数が一気に小さくなり、あなたという存在が相手に届きやすくなります。
地域でずらすという発想
拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』では、差別化の「ずらし軸」という考え方を紹介しています。同じ商品やサービスでも、年齢・性別・悩み・時間・場所・数量のどれかをずらすだけで、戦う相手がガラッと変わります。
ジモティーで使うのは、このうち「場所」をずらす一手です。全国の安売り競争から降りて、自分が会いに行ける範囲の人だけを相手にする。それだけで、価格で殴り合う消耗戦から抜け出せます。
向いている人・向いていない人

ジモティーは万人向けの正解ではありません。地域での対面が前提になる場面が多いため、その「ひと手間」を負担と感じるか、信用づくりのチャンスと感じるかで向き不向きが分かれます。
- 会って渡すやり取りを苦にしない人
- 本業の知識を地元の困りごとに活かせる人
- まず一人の反応を確かめてから広げたい人
逆に、最初から全国に届けたい人や、対面のやり取りを避けたい人には、発信型のサービスのほうが合うこともあります。自分が無理なく続けられる距離感はどこかを、始める前に一度書き出してみてください。
ジモティーで成果が出る人の3つの共通点

私のこれまでの起業支援の経験から見ると、ジモティーで手応えをつかむ人には共通点があります。やみくもに数を出すのではなく、地域という土俵の特性を活かしている点が一致しているのです。
相手を一人に絞り込んでいる
「この地域の、こういう困りごとを持つ一人」まで絞り込んでいる人は、投稿の言葉が自然と具体的になります。オンライン取引の市場が拡大するほど、顔の見えないやり取りへの疲れも広がります。
そのぶん、「会って渡せる相手」という地域の強みはかえって際立ちます。数の大きさに引っ張られず、自分が届く範囲で確実に信用を積むほうが近道です。
反応を一行で記録している
問い合わせが来たとき、誰が・どの言葉に反応したかを一行でメモしている人は、次の投稿が早く良くなります。地域は母数が小さいぶん、一件の反応が貴重な手がかりになります。
掲載して終わりにしない
載せただけで待つのではなく、地元のつながりに自分から声をかけている人が成果を出しています。地域の掲示板は、現実の人間関係と地続きで動くからです。
会員さんの実例:地域でずらして月収が動いた

起業18フォーラムの会員だった森田さん(仮名・50代前半・男性・住宅設備メーカー保守職)は、当初は全国向けのフリマアプリに工具や部品を出していました。全国の出品者と価格で並ぶと値下げしても埋もれ、半年たっても月収は数千円のまま伸び悩んでいました。
フォーラムの勉強会で「場所をずらして戦う相手を変える」という考え方に出会い、活動の軸を地元に絞り直しました。住んでいる市内に限定して、DIYを始めたい人向けに「使い方のコツ付きで工具を手渡しする」形に変えたのです。
さらに購入者に声をかけ、希望者には地元の集会所で月1回の工具相談会を開くようにしました。価格ではなく、会って教えられるという地域ならではの価値に乗り換えたのが転機でした。現在18ヶ月目で相談会の常連と紹介が増え、月収はおよそ8万円台で安定。来年には地域向けのサービスとして独立する準備を進めています。
地域の強みを倍にする3つの行動

ジモティーの良さを引き出すには、地域であることを弱みではなく武器として使う設計が必要です。次の3つを組み合わせてみてください。
- 会いに行ける範囲を最初に決める
- 対面で渡すときに次回の接点をつくる
- 反応をくれた人との関係を続ける
地域は人口の母数が小さいぶん、一度信用された相手が次のお客さんを連れてきてくれます。あなたが実際に向き合うのは地元のごく一部の人です。その少人数とていねいな関係を結ぶことが、半年後の景色を変えます。

全国の大きな土俵で埋もれるより、足元の地域で顔の見える一人に出会うほうが、起業準備は前に進みます。今日できることは、自分が会いに行ける範囲を地図の上で囲んでみるだけで十分です。その小さな線引きが、地域でずらす起業の最初の一歩になります。
よくある質問

Q.ジモティーは本当に無料で始められますか?
- 出品は無料
- 手渡しの取引は手数料なし
- 配送のオンライン決済は手数料あり
出品自体は無料で、近くの人と直接会って手渡しする取引なら手数料はかかりません。配送を伴う「オンライン決済」を使う場合は販売価格に応じた手数料がかかります。料率や条件は取引方法によって変わるため、使う前に公式の案内で最新の内容を確かめてください。
Q.地域が田舎で人が少なくても成り立ちますか?
- 母数の小ささは絞り込みの追い風
- 顔の見える関係が紹介を生む
- 近隣の生活圏まで範囲を広げる
人が少ない地域でも、そのぶん競合も少なく、一人の信用が次の紹介につながりやすくなります。市内だけで足りなければ、無理のない範囲で近隣の生活圏まで広げて考えるとよいでしょう。
Q.会社に知られないか不安です。在職中でも大丈夫でしょうか?
- 勤務先の規定を最初に確認
- 本業と利害がぶつかる相手は避ける
- 無理のない件数から始める
まずは勤務先の規定を確認したうえで、本業と直接ぶつからない範囲で小さく試すのが安全です。在職中だからこそ、生活を崩さずに反応を確かめられる利点があります。自分のペースで件数を決めて始めてください。
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