記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
子どもが独立して、夫婦二人の暮らしになりました。50代に入り、定年後にやることがない自分を想像すると不安になります。やりたい気持ちはあるのに、結局いつも考えるだけで動けないまま週末が終わってしまいます。
この「考えるだけ」から抜け出すには、どうすればいいのでしょうか?

● 回答
百貨店の販売職を続けるNさん(50代前半)も、まったく同じ状態でした。子どもが独立して時間ができたのに、起業の本を半年読み続けるだけで、何一つ動き出せずにいたのです。同じ悩みを持つ方は、決して少なくありません。
「考えるだけ」で止まる本当の理由
動けないのは、意志が弱いからではありません。締め切りがないからです。会社の仕事には期限がありますが、自分の準備には誰も期限を決めてくれません。拙著『会社を辞めずにあと「5万円!」稼ぐ』に「4500日理論」という考え方が出てきます。自由に動ける時間を計算すると、人生に残された日数は思いのほか少ないという話です。期限がないのではなく、自分で期限を引いていないだけなのです。
この感覚を持てるかどうかで、週末の使い方は大きく変わります。
多くの人は「いつか時間ができたら」と考えますが、その「いつか」は、自分で決めない限り訪れません。むしろ、まだ働いている今のうちに小さな枠を作って動き始めた人のほうが、定年後にすんなり移行できています。時間がないことは、案外、言い訳にならないのです。
- 「いつか」とだけ考えて期限を決めない
- 準備が完璧に整うのを待ってしまう
- 大きな計画を立てて、最初の一歩が重くなる
未来から逆算して「今日の一歩」を決める
抜け出す近道は、未来の姿を先に決めてしまうことです。厚生労働省の2022年の集計では、健康に過ごせる期間(健康寿命)は男性で約72歳、女性で約75歳とされています。自由に動ける時間は、思っているより短いのです。
だからこそ、遠い目標より「今日の一歩」を具体的にする必要があります。
まず、定年後にどんな一日を過ごしたいかを、紙に一行だけ書いてみてください。
- 三か月後にやっていたいことを一行で書く
- その手前で、今週末にできる作業を一つ決める
- できたかどうかを、日曜の夜に確認する
Nさんは起業18フォーラムで残り時間を意識するようになり、売り場づくりで培った「商品の見せ方」を、週末に知人の小さな雑貨店へ助言することから始めました。半年後には複数の店から相談が入り、月4万円の収入につながっています。考えていた頃には想像もしなかった展開です。
大切なのは、いきなり大きく始めないことです。Nさんも、最初は週末に一軒だけ手伝うところからでした。小さく始めれば、たとえうまくいかなくても失うものはほとんどありません。手応えだけが手元に残り、それが次の一歩の燃料になります。まだ勤めているうちに試せるのは、思っている以上に大きな強みです。
週末の二時間でも、積み重ねれば立派な準備になります。焦って退職してから始めるより、ずっと安全で、家族にも説明しやすい道です。

未来は、考えている時間の長さでは近づきません。動いた距離の分だけ近づきます。次の日曜は本を閉じて、やりたいことを知り合い一人に話してみてください。
返ってきた反応が小さくても、それが最初の実験結果です。考えるだけの日々から抜けるには、完璧な答えより小さな反応を先に集めましょう。
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