秋田で起業準備をする現実的な順番|地域固有の困りごとを商品の輪郭に変える道筋

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

秋田県で会社にお勤めの方から、起業準備をどう始めたらよいかご相談いただくことが増えてきました。秋田市内・大館・横手・由利本荘など、地域それぞれの色がある一方で、人口減少・高齢化のスピードが全国でも特に速いことが、起業の論点に直結する地域でもあります。

東京から秋田駅まで秋田新幹線で約3時間50分(最速は3時間37分、便によって3時間37分〜3時間57分)、大阪からは航空便(伊丹〜秋田空港)のフライト時間が約85分で、空港間の移動を含めたドアtoドアでは約3時間〜3時間半が目安です。距離はあるものの、リモートワークが定着した今は地理的なハンデが小さくなっています。本記事では、秋田で在職のまま起業準備に動く場合の現実的な道筋と、押さえておきたい地域固有の機会を整理します。

ポイント 秋田で起業準備を始める前提

人口減少県だからこそ見える地域課題の事業機会

秋田

秋田県は、総務省「人口推計」によれば12年連続で日本でもっとも人口減少率の高い県です(2024年10月1日時点で-1.87%)。県の高齢化率は全国第1位で、内閣府「令和7年版高齢社会白書」によれば令和6年現在39.5%、令和7年7月時点では初めて40%を超えました。地域の暮らしを支える担い手不足が深刻になってきています。一見ネガティブな環境ですが、起業準備という観点では、地域の中に解決されていない困りごとがそのまま残っていることを意味します。

中小企業庁「2026年版 中小企業白書・小規模企業白書」(2026年4月24日閣議決定)では、労働供給制約社会の到来により中小企業の人手不足がさらに深刻化することへの警鐘と、「稼ぐ力」の強化・「経営リテラシー」の向上が大きな論点として取り上げられています。また、直近の2025年版小規模企業白書では、人口減少が進む地域において小規模事業者が地域住民の働く場や付加価値を担う役割の重要性が詳しく分析されています。地域の困りごとを地域の人が解く構図は、競合が少なく、結果として在職のまま準備する人にとっても入口を作りやすい環境になります。

ポイント 知っておきたい支援施策

情報として押さえておきたい支援施策と道具

秋田

秋田県内には、起業準備中の方が将来活用できる支援施策がいくつかあります。重要なのは、いますぐ駆け込むことではなく、方向性が固まったあとに使う道具として知っておくことでした。

  • 秋田県事業承継・引継ぎ支援センター:県内の事業承継相談に対応
  • 公益財団法人あきた企業活性化センター:創業相談や創業支援室など、起業準備に関する支援を提供
  • 市町村ごとの移住・定住支援:秋田市・由利本荘市など、二拠点や移住を視野に入れる人向けの相談窓口
  • 日本政策金融公庫秋田支店:女性・若者・シニア起業家支援関連融資の窓口

支援施策は、行き先が決まった人にとって強力な道具になります。逆に「何をやるか」が見えていない段階で相談に行っても、担当者も答えに迷ってしまいます。まずは自分の方向性を決める時間を確保するほうが先になります。

ポイント 秋田で見える3つの起業機会

地域固有の困りごとを商品化の起点にする発想

秋田

秋田で在職のまま動ける起業の方向性は、大きく次の3つに分けられます。

  • 地域資源活用型:秋田の食・酒・伝統工芸・米加工品などをオンラインに乗せる形(小ロット販売・体験型観光含む)
  • 暮らしの担い手不足解消型:高齢者向け生活サポート・買い物代行・地域内配送・在宅支援など
  • 二拠点・関係人口型:東京や大阪に勤め先を残しながら、秋田の地域コンテンツを発信・サポートする形

拙著『会社で働きながら6カ月で起業する』にも書いたのですが、地方で勤めながら動く人はSTAGEを区切って、最初のSTAGEは「現地で何が困っているか」を聞き取る期間に充てるのが現実的でした。商品設計を急がず、地域の声を100個ほど集めると、自分が立つべき位置が自然と決まってきます。

ポイント 会員さんの事例

秋田で動き出した二拠点準備の具体的な歩み

秋田

会員さんの黒木さん(仮名・42歳・既婚・小学生の子1人・東京のIT企業勤務)は、ご実家が秋田県内で、月に1回ペースで秋田に通う生活を続けてきました。実家近くの直売所で扱われている米加工品が、オンラインでまったく流通していないことに気づき、独学で物販を立ち上げようとしたそうです。

最初の半年は商品ページ作成と仕入れに走り、結果的に在庫を抱えて消耗しました。起業18フォーラムの勉強会で「現地の声を100個集める」順番を学び直し、生産者さんや直売所のかたの話を200件ほど聞き取ったとのことです。

そこから黒木さんは、物販単体ではなく秋田の米加工品を東京で月1回紹介する小規模イベントと、オンラインの定期便を組み合わせた構成に切り替えました。準備14ヶ月目で月5万円、26ヶ月目で月15万円の継続収入になり、現在も東京の会社勤めを続けたまま、二拠点で運営しています。いきなり移住するのではなく、東京と秋田を往復する関係人口の形が、結果として続けやすい設計になったとのことです。

ポイント 秋田で起業準備を続ける順番

基礎を学んでから支援施策を使い始める順番

秋田

秋田で起業準備を続けたい方には、次の順番をお勧めしています。

  • STEP1 まず起業18フォーラムの動画・セミナーで起業の基礎と全体像を学ぶ
  • STEP2 秋田で見える地域の困りごとを100個メモする(3ヶ月かけて構わない)
  • STEP3 方向性が見えてきたら、あきた企業活性化センターや日本政策金融公庫の窓口を使い始める
  • STEP4 二拠点で始める場合は、最初の半年は移住せず、月1〜2回の往復で関係人口として動く

秋田の起業は、人口減少という条件と一緒に進むことになります。条件を嘆くより、条件があるからこそ見える困りごとを起点に動くほうが、結果として地域にも自分にもやさしい結果になります。

地方で勤めながら始める準備は、急がずに3年単位で組み立てるのが現実的です。今夜まず、秋田で気になる地域の困りごとを3つだけメモしてみてください。半年後の方向性の輪郭が、少しずつ見え始めます。


さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

起業アイデア診断
【起業セミナー】会社員のまま始める起業準備・6ヵ月で起業する!

【動画セミナー】あなたのタイミングで学べる動画版もあります!

ポイント この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます!