在宅勤務の空き時間で起業準備をしても大丈夫? |売上計画より先に決める時間の線引き始め方と落とし穴

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

在宅勤務が増えて、通勤に使っていた時間がそのまま空き時間になりました。この時間を使って起業準備を始めてみたいのですが、何から決めれば失敗しないでしょうか? 売上の目標から決めるべきなのか、まず案件を取りに行くべきなのか、順番がわかりません。

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● 回答

最初に決めるのは売上目標でも案件でもなく、使ってよい時間と使ってはいけない時間の線引きです。在宅勤務で増えた空き時間を全部起業準備に流し込むと、本業・家族・睡眠のどこかが必ず壊れます。順番を間違えると、起業準備が続かないだけでなく、本業の評価まで下げかねません。

パーソル総合研究所の2025年10月公表の定量調査によれば、正社員が会社の外に収入の柱を持つ活動の実施率は11.0%にとどまっています。容認する企業は増えていますが、実際に続けられている人は1割ほどです。続かない最大の理由は、稼げないことではなく時間の境界線を決めずに走り出してしまうことにあります。

拙著『会社で働きながら6カ月で起業する』にも書いたのですが、勤めを続けながら準備を進める人は、STAGEごとに使う時間を決めて動きます。最初のSTAGEで決めるのは、収入ではなく時間の枠です。引くべき線は次の3本になります。

  • 本業中は触らない線:本業のPC・本業の勤務時間に準備の作業を一切持ち込まない
  • 家族に隠さない線:準備に使う時間帯を家族に開示し、固定の枠として共有する
  • 判断は週1回の線:売上を伸ばすかどうかの判断は週1回のレビュー時間に限定する

たとえば在宅勤務の会員さん(仮名・池辺さん・44歳・既婚・子2人)は、最初の半年を自己流で進めて家族関係が険悪になりました。起業18フォーラムの勉強会で順番を学び直し、線引きを3つ決め直したあと、作業時間は朝の1時間と土曜の半日に固定したそうです。

準備11ヶ月目で初めて月8万円の収入になり、現在も本業を続けたまま月12万円の継続収入を保っています。空き時間を全部使う設計から、使わない時間を決める設計に変えただけで、続く準備になりました。

順番をまとめると、「空いた時間にできること」を探すのではなく、使ってよい時間を先に切り取り、その枠の中で何ができるかを考える設計に切り替えるのがコツです。線引きが決まったあとで、案件・商品・売上の話に進んでください。

在宅勤務で時間ができた会社員ほど、走り出す前の境界線設計に1週間かけたほうが、半年先の継続率が変わります。時間が空いたから動くのではなく、動いてよい時間を先に切り出してから始めるのが、続く準備の入口です。

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在宅勤務の自由は、起業の自由ではありません。最初に線を引いてから、はじめて売上の話が現実になります。今夜のうちに、紙1枚で3本の線を書き出すところから始めてみてください。

最初の1週間は稼ぐ計画より、使ってよい時間帯を決める作業だけで十分です。時間の枠が固まると、その中で選ぶ商品や案件もぶれにくくなります。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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