起業準備中に読むべきビジネス書の選び方|情報に振り回されないための厳選ガイド

新井一

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

起業準備を始めた会社員が最初にぶつかる壁のひとつが「情報の多さ」です。書店に行けば起業本が並び、SNSには「これを読めば成功する」という投稿があふれています。

でも、全部読んでいたらキリがない。どれを読めばいいのか、わからなくなるのです。

ポイント なぜ起業本選びで失敗する会社員が多いのか

情報過多で行動できなくなる会社員の罠

本

「良い本を探す」ことが目的になっていませんか?

起業準備のセミナーで参加者に「最近どんな本を読みましたか?」と聞くと、必ずと言っていいほど出てくる答えがあります。「いろいろ読んでいるんですが、なかなか行動できていません」というものです。実際、本をたくさん読んでいる人が起業に成功するわけではありません。正確に言えば、本を読んだあとに「自分に当てはめて考える」習慣を持っている人が成功するのです。

起業本の世界には、いわゆる「気づき消費」という罠があります。読んで「なるほど!」と感動する。でも次の日にはもう別の本を読みたくなる。この繰り返しです。大事なのは「感動した1冊を10回読む」より「気になる1章を自分の現状に当てはめて考える」こと。

  • 「起業本を読むこと」が目的になっている(行動より読書が多い)
  • 評判の良い本を手当たり次第に読む(自分の課題と無関係でも読む)
  • 読んだあとに「何を実行するか」を決めない
  • 同じテーマの本を何冊も読んで安心感を得ようとする

ポイント 「起業の7つの壁」を知れば、読むべき本が決まる

自分の壁を特定してから本を選ぶ順番

業務知識

まず自分が「どの壁」にいるかを確認する

起業を阻む壁は大きく分けて7つあります。①お金がない、②スキルがない、③アイデアがない、④自信がない、⑤今じゃない、⑥何から始めたらいいかわからない、⑦時間がない。これは私が起業支援を通じて整理したフレームワークです。

自分が「どの壁に直面しているか」を特定してから本を選ぶ。これが起業本選びの正解です。

たとえば「アイデアがない」という壁を感じているなら、マーケティング論や組織論の本を読む必要はありません。自分の強みを棚卸しするための本が先です。「時間がない」という壁なら、時間術の本ではなく「優先順位の決め方」が書かれた本を選ぶべきです。

起業の7つの壁×本の選び方

  • ①お金がない → 起業資金・補助金・低コスト起業の方法論を扱う本
  • ②スキルがない → 自分の強み発見・棚卸し系の本
  • ③アイデアがない → 商品・サービス設計、ビジネスモデルの発想法
  • ④自信がない → マインドセット・メンタル系の起業本
  • ⑤今じゃない → 小さく始める方法・ミニマムスタートの考え方
  • ⑥何から始めたらいいかわからない → ロードマップ・ステップ型の起業入門書
  • ⑦時間がない → 在職中・会社員のまま起業準備を進める方法論

ポイント 26年の支援で見えた「行動につながる本」の共通点

読んだ人が動けた本が持つ4つの特徴

本

「これを実行する」と決めさせてくれる本が良い本

60,000人の起業準備者と関わるなかで、「この本を読んで動き出しました」という声をたくさん聞いてきました。そういった本には共通点があります。

まず、具体的な事例が豊富であること。「会社員が週末だけで月5万円を稼いだ」という話は、読んだ人に「自分にもできるかもしれない」と思わせます。抽象論だけの本は感動するけれど行動には結びつきにくい。

次に、「自分の現在地」がわかる構造になっていること。診断系・チェックリスト型の本は特に会社員起業準備者に合っています。自分が今どの段階にいるかが見えると、次の一歩が具体的になるからです。

26年間の支援のなかで最も多くの人が「読んで動き出した」と言ってくれた本のタイプは、著者の等身大の失敗談が載っているもの。成功の美談より、失敗して立ち直った話の方が「自分も大丈夫」という安心感を生む。

行動につながる本の4つの特徴

  • 具体的な数字(月○万円、○ヶ月、○%)が出てくる
  • 著者の失敗談・試行錯誤が正直に書かれている
  • 読者の現在地を診断するチェックリストや問いかけがある
  • 「まず1つだけ実行する」という最小行動が明示されている

ポイント 起業18フォーラム受講者の実例紹介

本から行動に転換した会員3人の変化

本

本を読むだけでなく「一行だけ実行する」を決めた人たち

Aさん(43歳・メーカー勤務・男性)は長年「本を読んでは満足する」を繰り返していました。あるセミナーで「次の1週間でこの本の第2章だけを自分の業務に当てはめて考える」という課題を出したところ、1ヶ月後に「自分のスキルが商品になるかもしれないと初めて気づきました」と報告してくれました。

Bさん(38歳・IT企業勤務・女性)は「良い本を見つけることに時間を使いすぎていた」と振り返っています。

  • 知:自分の現在地を知る本を1冊に絞り、付箋を10枚だけ貼って実行する項目を決めた
  • 人:本で知った手法を「試してみた結果」をSNSでシェアしたことで同じ壁を持つ人と繋がった
  • 金:「まず1冊」の読み方を変えたことで読書コストを下げ、浮いた時間を実践に回せた

Cさん(51歳・金融機関勤務・男性)は定年を意識して起業準備を始めたものの、最初の3ヶ月は本を読むだけでした。注意:読書量と起業準備の進捗は別物です。本を読んだ量ではなく、試した量で進捗を測ってください。

ポイント 次のステップ:情報の海で迷わない起業準備の始め方

「自分の壁」を特定する一手

起業18勉強会

本よりも先に「自分の現在地」を知る場が必要

本を選ぶ前に、まず自分が今どの「壁」を前にしているかを把握することが最優先です。その壁を特定する最短ルートが、実際に起業した人・起業準備中の人と話すことです。

「どの本を読めばいいか」という問いへの答えは、あなたの現在地を知ることから始まります。情報に振り回されることなく、あなたの現在地を一緒に確認しましょう。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

新井一
起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全13冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。

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