記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
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● 質問
自分が売りたい商品を求めている人が、お金を持っていない層の人たちです。
この分野は行政がやるべきものでしょうか? 手を出さない方が良いでしょうか?
● 回答
皆優しいですから「困っている人を助けたい」と思いますよね。ヤフオク!で安く仕入れて、アマゾンで高く売るなど「どんな付加価値があるんだ?」と思うような商売もありますが、本質的には、ビジネスは「痛みからの逃避」「快楽の追及」をお手伝いするものです。ですが、現実的に対価がもらえないとなれば、考えなくてはなりません。
今日のご相談は、この「お金に困っている人」をどう助けるのか、ですね。ストレートに言えば、サービスを受けたいのに「お金がない」と言う人を助けたい場合、それは可能なのか? ということですね。
お金があるにも関わらず、自分のサービスの価値を認めていないために「そんなお金は出せない」と言っている人ではなく、自分のサービスを必要としてくれているのに本当に払うお金がない人に対して、事業者はどのようなことができるでしょうか?
商売ですから、お金をもらわないと成立しません。あなたも、会社で働いて「お給料なし」と言われたら、いつまでも続けることはできないでしょう?
実は私も過去に、ある女性の起業相談に乗っていて、初回のお試しが終わってその先のご案内をしたときに・・・
と言われたことがあります。ですが、うちは行政でもないし、ボランティアでもありません。利益を出さないと倒れてしまう、民間企業です。
では、このようなお金のない人を助けてあげようと思った場合、民間企業には不可能なのでしょうか?
お金のない人を助けてあげたいのなら・・・
いきなり解決策を言ってしまいますと、
でも良いわけなので、お金のない人からお金をもらわないで済むスポンサーを探せば良いのです。「孫のランドセルをおじいちゃんが買う」みたいなことです。
では、サービスを受ける人以外にお金を出す人とは、どのような人でしょうか?
- 企業(スポンサー)
民法テレビを観る人が払うべき費用を、広告スポンサーが負担しています。 - 行政
補助金やたくさんの行政サービスは、税金で皆が分担して負担しています。 - 親族
上のおじいちゃんのランドセルのような「扶養」です。 - 知り合い
ギフトという形で商品を買って、人に贈ったりします。 - 寄付/カンパ
寄付で運営されている任意団体もあります。 - クラウドファンディング
広く一般から資金を調達する方法です。
これらの方法が考えられます。1は営業、2は申請、3、4はビジネスモデルの工夫、5、6は呼びかけ。考えてみればシンプルです。
スポンサー企業はどうやって見つけるのか?
多くの起業を目指す人が考えることで、協賛企業や投資家(出資者)を見つけてお金を出してもらいたい、というものがあります。たとえば、貧乏な劇団が公演をやるとして、そのパンフレットなどに企業名を出す代わりにお金をもらうなどの方法を考えることです。
ですが、このようなアイデアは上手くいかないケースが多いです。
企業にお金を出してもらうには、メリットがなければなりません。昔からの付き合いで、街のお祭りに協賛、寄付をするのとはちょっと違います。
協力してもらう金額にもよりますが、個人が宣伝をしてあげると言ったところで、リターンが弱すぎるのです。目に見える、はっきりとした効果が、投資の見返りとして手に入るということを示せない限り、お金を引き出すことはできません。金持ち社長に出資/融資/社内ベンチャーをお願いするYouTube番組「令和の虎」でも「投資するメリットがない」とボコボコにされる志願者をよく見ます。
頼りになるのは、やはり個人的なつながりでしょう。知り合いの紹介でも良いでしょうし、そういうコネがないのなら、その会社の商品を何度も買う、サービスを利用する、或いはアルバイトで潜り込んでつながるなんて方法もあるかもしれません。
飛び込みでいきなり営業をしても、個人では相手にされず、厳しいことが殆どでしょう。こういう時に、人とのつながり、日頃の生き方がボディブローのように効いてきます。
頑張りましょうね。
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起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全12冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。
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