起業や副業で「自分に何ができるのか」をみつけるための5ステップ

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

リモートワークを経験した人の中には、組織で働くのではなく、起業して自分らしく働きたいと考え始めた人も多いようです。

また、週休3日が導入され、副業に興味を持っている人もいます。とはいっても「自分に何ができるのか」と悩み、起業の一歩を踏み出せない人がほとんどです。

今回は、起業や副業で「自分に何ができるのか」をみつけるステップを5つにわけて解説します。
 

「自分に何ができるのか」をみつけるステップ

自分に何ができるのかがわからないですか?


 

ステップ1.得意なことではなく「やってきたこと」を書いてみる

起業や副業はビジネスです。趣味ならばやりたいことをやれば良いのですが、ビジネスは収入を得る必要があります。つまり、起業や副業を始める時には「何をやりたいか」と同時に「何ができるか」を考える必要があります。

「何ができるか」と聞かれれば、多くの人は特技を答えるでしょう。たしかに特技もできることですが、自分の特技である必要がないのがビジネスの面白いところです。できる人に仕事を委託し、自分は営業に特化する「代理店業」も立派なビジネスです。とは言え、やはり経験のあるジャンルの方が何をするにも気が楽ですから、まずは、経験してきたことや実績になっていることをリストアップしてみましょう。

また「できること」や能力は、第三者のほうが客観的に見ていることがあります。自分では気がついていなかった能力が、意外と副業に向いていることもあるのです。
 

ステップ2.「やってきたこと」の中から「やりたいこと」をみつける

「やってきたこと」をリストアップしたら、その中から「やりたいこと」をみつけましょう。起業や副業を考える人の中には、今までの生き方や働き方を変えたいと思っている人もたくさんいます。優れた能力が発揮できることでも「やりたくない」と思っているならば、あえて起業してまで続ける必要はないでしょう。起業や副業は、新しい生き方をするきっかけにもなります。毎日をイキイキと暮らせるようにするためにも「やりたいこと」を抜き出してみましょう。

養う家族がいたり、生活費を稼ぐ必要があったりすると、つい「やりたいこと」よりも「できること」「儲かること」を優先したくなります。しかし、やりたくないことは続きません。起業は、たくさんのエネルギーが必要です。何度も繰り返すよりも、1回にエネルギーを集中させて起業したほうが成功する確率は上がります。飛行機の離陸のようなものです。

副業も同じです。副業というとおまけの仕事のようなイメージかもしれません。しかし副業も立派な仕事です。新しい仕事を始めることは大変なことです。いつか副業が本業になると考えて「やりたいこと」を仕事にした方が良いでしょう。「やってきたこと」かつ「やりたいこと」は、経験と希望の両方がそろった項目です。「自分に何ができるのか」という疑問は、おおむね解決できたことになります。
 


 

ステップ3.「やりたいこと」の中から「現実的にできそうなこと」をピックアップする

経験と希望がそろった項目であれば、起業できる条件がそろっています。次に考えるのは需要です。起業や副業はビジネスであり、需要と供給で成り立っているからです。どんなに自分がやりたいと思っていても、買ってくれる人がいなければビジネスにはなりません。「やりたいこと」がすでに市場にあるならば、需要の状況を調べて、これからの需要の見込みを考えてみましょう。

さらに起業や副業の種類によっては資金が必要です。店舗や機材が必要ならば、たくさんの資金が必要になります。現実的に考えたとき、自分が持っている資金で起業可能かを考えます。あわせて支援や給付金の知識も蓄えておくと、より現実的になります。
 

「500万円未満」で開業する割合は1991年度の調査開始以来最高

開業費用の分布をみると、「500万円未満」の割合が43.7%と最も高く、次いで「500万~1,000万円未満」が27.3%を占める。「500万円未満」の割合は、調査開始以来、最も高くなった。開業費用の平均値は989万円と調査開始以来、最も少なくなった。

日本政策金融公庫「2020年度新規開業実態調査」 より引用

 

殆どの人が自己資金で、しかも費用を極力かけずに起業しているのが実際です。

また、年齢も重要なことです。起業する事業内容によっては「若い方が良いもの」と「年を重ねている方が良いもの」があります。信頼や経験が重要な事業ならば、年齢が高ければ高いほど需要が期待できます。一方、力仕事や新しい分野ならば、若い方がメリットはあります。起業する時点の年齢も考えて「自分にとって何がやりやすいのか」を考えてみると良いでしょう。
 

ステップ4.自分のやりたい「自分に何ができるのか」をみつけたらゴールを具体的にイメージする

「自分に何ができるのか」の中からやりたいことをみつけたら、い良いよ事業のイメージを組み立てていきましょう。やりたいことやできることをそのまま事業にするよりも、時代やニーズに応じた形に変えて起業した方が売上が伸びます。

たとえば、経理経験があり、伝票整理がとても好きな作業だったとしても、伝票整理で起業することは難しいでしょう。ピックアップした「やりたいこと」でそのまま起業するのではなく、需要がある形に変えてみることが大切です。たとえば「伝票整理はデータ入力と集計作業まで行う」とすれば、データ入力のアウトソーシングとして需要があるかもしれません。自分で出来ない部分は外注すれば良いのです。

また、飲食店で起業したいと思っても、イートインにするのか、テイクアウトにするのかによって需要は変わります。さらに法人として起業するのか、個人事業主として起業するのかも決めなくてはなりません。

起業や副業は、漠然としたイメージで走り出しては危険です。「自分に何ができるのか」は、自分の限界や目指すゴールを決めることでもあります。月の売上だけでなく、将来の展望までゴールをしっかりとイメージしておくことがポイントです。ゴールのないマラソンは走りがいがありません。「自分に何ができるのか」「自分にどこまでできるのか」をしっかりと考えることで事業全体のイメージがわき、起業や副業を成功させることができるのです。
 

ステップ5.ゴールに向かう策を考える

起業や副業は、たくさんの人が夢見ることです。ほとんどの人は「やりたいな」と思うだけで実際に起業することはありません。原因はステップ4で止まってしまうからです。起業にしても副業にしても、やるときめたら実際に行動しなくては実現できません。「自分に何ができるのか」をみつけてゴールをイメージしたら、行動に移しましょう。ゴールのイメージまでできたら、それはすでに「できること」です。

起業や副業は、今の会社を辞めなくても始めることができます。起業には資金が必要です。資金を集める作業中は、収入がないため、安定した収入を得ながら起業準備をしたほうが良いでしょう。資金の調達方法は、自己資金で準備するだけでなく、融資や補助金、最近はクラウドファンディングもあります。

会社や団体の中で働いてきた人にとって、起業や副業は専門的な知識が必要になります。独学で一つひとつ知識を得ていく方法もありますが、起業セミナーに参加してみる方法もあります。起業を成功させるコツは「起業したい」という熱い思いがあるときに、速やかに計画を実行に移すことです。
 

おわりに

自分に何ができるのかがわからないですか?


 

「自分に何ができるのか」と考えている段階は、まだ起業への一歩を踏み出していない状態です。しかし「できること」「やりたいこと」がみえた瞬間に、起業への熱い思いがこみあげてきます。起業や副業は、慎重かつ勢いも大切です。
 

● 質問40代の女性です。コロナで会社の業績が悪くなったため、転職を考えていました。面接も何度か受けましたが、生活のために働きたいという気持ちばかりで、志望動機なども全く答えることができませんでした。そもそも、自分に何ができるのか、スキルもなく、お金もなく、仕事じゃないことでもできる事が何もない自分を考えると、とても悲しい気持ちになってきます。転職は難しいそうなので、いっそ起業してみたいと思っているのですが、自分に何ができるのか、ここでも結局そこで何もわからず、気持ちばかりが焦っています。今の会...
40代女性です。自分に何ができるか、強みが分からず焦っています。 - 起業18フォーラム

 

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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。




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