40代~50代から起業準備をしても遅い? 失敗したくないなら守って欲しいこと

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

コロナ禍の今、40代~50代で起業を考え始める人が増えています。

ただ、ネットで調べれば「今すぐ始めるべき」「遅すぎるなんてことはない」という文言が並びますが、それは商売だからそう言っているわけでして・・・
 


 

40代はギリギリ、50代から起業準備を始める人は、正直、とっても遅いです。

金融庁から出た、老後2000万円不足するという問題。老後生活、一気に不安になった人、いるんじゃないでしょうか。健康寿命は、どんどん延びています。私の周りには「そんなに長生きしたくない」「自分は早く死んじゃえばいいや」なんて自虐的に言う人もいます。

95歳まで生きるとか、人生100年とか、長いですよね。年金が少なくなる一方で、人生だけが長くなる。不安になりますね。

だったらどうするのか? 会社で一生懸命働くことは、解決策にはなりません。
 

それ「プラスα」が必要です。
 

40代、特に50代にもなったら、今すぐに準備を始めないと、正直、間に合わないと思います。別に、煽っているわけではありませんが、本当にそうなのです。
 


 

週末に起業の準備を始めたとしても、軌道に乗せるまでに時間がかかるからです。ですが、40代、特に50代の男性は「始めること」にとても長い時間をかけてしまいがちです。

  • 今は難しい
  • 定年まであと5年以上ある
  • 検討

そんなことを考えて、新しいことを始めないのです。厳しいことを言えば、50代の行動力、行動量でしたら、今すぐ始めたとしても、30代、40代の起業準備以上に時間が必要です。

そもそも、起業準備を会社に勤めながらやるとしたら、多くの時間を割くことはできません。また、たくさんの人が同じ考えて動いていますから、競合もたくさん生まれてきます。軌道に乗ったら独立する。もちろん可能ですが、早くから動いている人にはかないません。

  • もっと収入を増やしたい
  • リストラに備えたい
  • 再雇用されない可能性がある

そう思う会社員の方は、40代なら今すぐ、50代なら焦るくらいで、動き出しましょう!
 

今ほど50代会社員からの問い合わせが多い時はありません

40代~50代から起業準備をしても遅い?


 

私が「会社員のまま始める起業準備」の支援を始めて長い年月が経ちますが、今ほど50代会社員からの問い合わせが多い時はありません。40代は、まだ危機に気づいていない人もいます。50代会社員・・・バブル世代ど真ん中。そういう時代はもう来ない、気づいている人はどんどん動いています。

企業はどんどん新陳代謝します。65歳定年制が義務化されますが、吸収できる企業は多くはないでしょう。もちろん、政府が助成金で頑張ってくれるのだと信じていますが、それでも困難に直面する可能性があることがわかっているのに、何かにしがみつこうとしている。

定年後、会社に残れる人は少ないのです。勝手な推測ですが、1/3は起業せざるを得なくなるのではないでしょうか?

私たちは長く生き、そして退職金などの蓄えは、底をついてしまうでしょう。特に、中小企業にお勤めのサラリーマン。退職金だって、そんなに期待できません。40代、50代は、もう待ったなしでしょう。「老後2000万円問題」を考えると、もはや選択の余地はないのではないでしょうか?
 


 

職場を去った後の年月が30年を超える。それは現実になりそうですが、その時、自分がどうなっているのか、想像したことありますか?

「老後のお金は年金がある」と考えていたとしても、何とかなるだろうと思っていたとしても、もう無理だと思いませんか?

「お金がない」という現実。多くの人は「節約しよう」と考えるはずです。「お給料を投資に回そう」という指南書もたくさん出版されていますが、投資は増えたり減ったりするもので、確実に増えるものなどありません。結局は「自分で稼ぎ続けなければならない」のです。これは、もう既定路線だと言えるでしょう。

定年退職する人は、今後、どんどん増えていきます。人口の多い世代が、これから退職していくのです。それだけの人たちを、若い人が支え続けることや、企業が雇用を継続するのは、無理があるでしょう。
 


 

だからこそ、いくつもの大企業が早期退職制度を使って、今のうちにスリム化しようとしているのです。一部の優秀な人が、役員や現場のアドバイザー的な立場で再雇用されたとしても、他の大部分の社員は残れないのです。

当面は、人手不足の中小企業が受け皿になってくれるでしょう。しかし、その中小企業には、ずっと高齢者を雇用し続ける体力はありません。技術革新が進み、人は要らなくなっていきます。もちろん、人口減少もありますので、若い人が少なくなる分、高齢者の採用の機会はある程度は維持されるでしょう。

しかしながら、若い人が足りない分を補うような働き方ができるのでしょうか? 70歳になって、今のように働きたいのでしょうか? 40年間働いた後、若者に怒られながら、働き続けるのでしょうか?
 

そんな40代~50代が今日からすべきこと

40代~50代から起業準備をしても遅い?


 

まずは、稼ぐ体験をすることです。お給料以外に収入を得ることを、今のうちに、会社員の安全な立場を確保しつつ、試していくことです。稼ぐ必要はありません。稼げるようになる準備を、今のうちにしておくのです。

40代、50代にもなると、保守的になりがちです。「失敗したくない」という人もたくさんいると思います。「自信がない」という人もたくさんいると思います。

しかし、会社員のまま始めれば、何の心配もありません。繰り返しになりますが、今すぐ稼ぐ必要はありません。トントンでいいのです。

プラマイゼロであっても、その間に揃い、成長していくもの、たとえば、経験、ブランド、SNSや評価を得たアカウント、その他のインフラなどを考えれば、大きな資産を得ることになります。それらは、定年後に大きな心の支え、そして収入源になっていきます。早く始めて、続けた人にはかなわないのです。

正直に申し上げて、定年してから「さてやるか」と重い腰を上げても、若い人には追い付けません。調子のいいこと言う書籍やスクールも沢山ありますけれど、現実です。

  • 何より体力がありません。
  • 優秀な若い人がたくさんいます。
  • 応援されるのはいつも若い人です。

中高年は、これまでやってきた仕事の経験値、社会でのステータスは確かに高いです。子育て世代よりは時間があり、住宅ローンや教育費などのメドもついていて、多少のお金もあるかもしれません。だからこそ、余裕がでてしまい「まあ検討しよう」と思ってしまうのだと思います。

今、私と一緒にしっかりと準備を進めてくださっている40代~50代の皆さまは真剣です。楽しみながらも、必ず来る「後」を見据えて動き出しているのです。
 

40代~50代からの起業準備3ステップ

40代~50代から起業準備をしても遅い?


 

1.これまでの仕事経験をベースにする

これまでの本業で培ってきた「知識」をベースに「体力がなくても売れる商品」を考えることが大切です。そう言うと、コンサルタントになることを考える人も多いですが、会社員のうちに実行できるかどうか、そこを考えてみてください。

となれば、将来的にはコンサルタントになることを視野に入れるとして、今は、セミナーや情報販売など「時間や場所が関係ない」「時間や場所をこちらで指定できる」ビジネスモデルを考えましょう。

気になるのは就業規則です。「会社のノウハウを売った」などと勘違いされてしまって、解雇されてしまっては元も子もありません。会社とバッティングしないように、しっかりと考えてください。会社のノウハウではなく、自分個人の持つ経験を売ることが必要です。
 

2.仕事経験からの展開が難しい場合はプライベートのことで

仕事以外でも、長年続けてきた事があれば、それをベースにするのは良いことだと思います。趣味でやってきたことならば、好きでやってきたわけですし、これからも続けていけるのではないでしょうか?

起業18の会員さんでも、ドローン空撮で起業された元大手企業にお勤めだった50代男性や、お洋服が好きだからとブランドを立ち上げた40代の女性など、たくさんの人が仕事以外の「好き」でチャレンジされています。
 

3.会社を大きくしないことを守る

40代、50代からの起業は、長期間、定年後も安定した収入を得ることが目標です。失敗したらまた会社員に戻ればいいや、とはいきません。

だからこそ、慎重になって「やらない」のではなく、慎重に「やる」のです。

大きなビジネスにする必要はありません。家族が幸せに食べていける分があれば、それで十分ではないでしょうか?

従業員を雇ったり、大きな設備投資をする必要は全くありません。自分の経験と知識で収入が得られるようになれば、或いは、ちょっとした知識を持っている分野で、何かを仕入れて転売することができれば、十分なはずです。

会社員のうちは多少のリスクは取って、一人ビジネスを軌道に乗せることは大切ですが、それ以上に大きくする必要はありません。リスクは極力小さく、ブランド力、信用力構築に徹底する戦略が良いと思います。
 


 

今、たくさんの人が起業を目指しています。若い女性も男性も、たくさんの人が競合し合っています。頭の固い、体力のない中高年は、瞬く間に負けてしまうでしょう。すぐに眠くなってしまうでしょうし、年齢と共に疲れを感じることも多くなるはずです。

ですので、避けた方がいい業種もあります。肉体労働、技術革新の激しい分野などは、あっという間についていけなくなります。トレンドを追いかけても、若い人の情報収集力にはとても敵いません。会社の人脈も、そのうちだんだん薄くなり、離れていきます。

息子や娘のような、20代の成功社長、キラキラコンサルタントもたくさんいます。40代~50代は、この人たちと戦うのではなく、このような人たちが苦手な、同世代の人と共に歩めるビジネスを探す方がベターでしょう。
 


 

今、私と一緒に頑張ってくださっている、40代、50代の皆さまは、今後、準備を進めつつ、安心して次のステージへと進まれると思います。

「自分はエリートだから大丈夫」そういう方はいいのですが、少しでも「準備しておこうかな」と思ったら、この先の長い長い人生を、どのように生きていくのか、ちょっと考えて、行動を起こしてみてください。

ぜひ、会社員のまま始める起業準備、始めてみてください!


さらに詳しく知るには、以下より検索してみてください!
記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。




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