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● 質問
ITに弱い個人起業家に向けたシステム開発、および運用サポートを考えています。
そのビジネスの契約についてご相談したいのですが、契約書といったおおげさなものですと、個人は怖がる、或いは面倒くさがる傾向があるように感じますので、合意事項のメモを残すような形で出来ないかと考えています。
どのようなことをメモしておけばよいでしょうか? また、メモはメールで済みますでしょうか? それとも、やはり印鑑を押して、といったものになりますか?
● 回答
システム開発の業務委託契約になるのでしたら「請負」または「委任」契約があります。
「請負」は 仕事や物を完成することが目的になります。つまり、完成物に対して対価が発生する契約ですね。一方で「委任」はサービスの提供が目的で、一定の行為の遂行に対して対価が生じる契約です。
契約は「申込み」と「承諾」とで成立します。双方の意思の合致があれば、口頭であっても良いのですが、証拠や明確さなどがあった方が良いので、書面で残すわけです。契約書が必ずしも必要なのではなく、発注書と請書があれば問題はありません。
契約書が面倒な場合、発注書にて契約条項を明確にし、金額、支払い方法、期間、当事者の氏名、住所などを明示してもらうようにしましょう。もちろん、事前に打ち合わせをすることも大切です。
とは言え、契約書はあった方が良いですよ。ソフトはトラブルが多いですから。
一度雛形ができてしまえば楽です。行政書士などの専門家に相談してみることをお勧めします。最初だけですから。
予備知識を得るためには「ソフトウエア+契約書」と検索すると、参考になる情報がたくさんでてきます。
仕様の確定や変更、検収の基準や瑕疵担保責任、機密保持など、取り決めることはたくさんありますので、チェックしておくと良いでしょう。
損害賠償なども「契約金額をもって賠償限度額とする」という特約を設けておかないと、膨大になってしまうリスクがありますし、著作権を譲渡してしまうと将来同じようなソースコードを含むプログラムを別の顧客に提供できなくなるなどのリスクもあります。
また、支払いもトラブルが多いもののひとつです。
検収後何カ月でお金をもらえるのか、請負なら、開発後に現金一括でもらえるのか、など、決めておく必要があります。委託なら毎月締め、翌月払い、残業代はどうするのかも決めておく必要があります。
専門家と相談していただきたいですが、まず総合的な業務委託契約を行い、後はプロジェクト(案件)ごとに個別に覚書を取り交わすようになると思います。
フォーマットについては、顧客が用意するものに従う場合が多いですが、個人などは持っていないことの方が多いです。その場合には、質問者様が主体となって色々と準備する必要があります。
相手がシステム開発の発注になれていない場合、IT屋さんの常識が通用しないことが多くなります。サポート内容や検収の条件などは感情のもつれからくる軋轢の原因になることが多いです。
そんな事情からも、相手が小さな会社でもリスクは大きいとも言えます。契約書はやはりあった方が安心だと思います。
感情的になってあれこれと言われ、無理な仕事をやらされることになっては、質問者様が潰されてしまいます。メールでも済まなくはないですが、トラブルの際に「メールに書いてある」というよりは、署名捺印、印紙の貼られた契約文書があった方が説得力はありますね。
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