公共の施設でセミナーをする場合の「営利目的での使用禁止」ってどこまで?

記事執筆/監修:新井一(起業18フォーラム代表)
最終更新日:

● 質問

公共施設の会議室を格安で借りてセミナーを開きたいのですが、利用規約に「営利目的での使用禁止」と書かれていました。有料のセミナーは開催できないのでしょうか? また、「営利目的」の定義が施設によって異なると聞きましたが、施設側と交渉して許可を取る方法があれば教えてください。

● 回答

「営利目的禁止=有料セミナー完全禁止」と思い込んでいる方がとても多いのですが、実はそうではありません。「営利目的」の定義は施設ごとに異なり、直接問い合わせることで許可が下りるケースも少なくありません。まず「ダメだ」と決めつける前に、確認の一歩を踏み出してみてください。

起業18フォーラムには毎年、会場費の節約を考える会員さんからこの種の相談が届きます。実感として言えることが3つあります。

よくある誤解と実態の違い

施設ルールは一律ではない現実

「営利目的禁止」という文言だけを見ると、有料でお客さまを招いてセミナーをするのは全面的にアウトに見えます。ところが実際には、施設によって以下のように解釈が異なります。

  • その場での現金販売(展示即売会など)だけを「営利」と定義している施設
  • 参加費の徴収そのものを禁止している施設
  • 会場費の割り勘のみ可・商品販売不可という施設
  • 「社会的意義のある講座」は許可制で有料可とする施設

つまり、一概に「有料セミナー=禁止」とは言えないのです。同じ「営利目的禁止」という文言でも、実態はまったく異なる場合があります。

施設と交渉するための正しい手順

書面と誠実な説明で許可を引き出す

では、どうすれば許可を取れるのでしょうか。起業18フォーラムの会員Aさん(40代・IT系コンサルタント・会社員)の事例が参考になります。

Aさんは埼玉の自治体運営施設を使ったセミナー開催を希望していました。利用規約には「営利目的禁止」とありましたが、窓口担当者に電話で「セミナーの内容」「参加費の用途」「地域への社会的意義」を説明したところ、書面での申請を求められました。Aさんは開催要領(テーマ・対象者・スケジュール・料金設定の根拠)を1枚の書類にまとめて提出。起業準備を本格化させた3ヶ月目のことです。

結果、「営利活動に該当しない教育的講座」として許可が下り、以来月1回のセミナーを1,500円以下の会場費で継続できています。現在は継続8ヶ月目、参加者は平均6名まで増え、月10万円超の受講料収入につながっています。まず電話で施設の担当者に「こういうセミナーを開きたいのですが、どのように申請すればよいですか?」と聞いてみることが最初の一歩です。

  • 電話で施設担当者に相談(「申請の方法を教えてほしい」と依頼)
  • セミナーの目的・内容・料金設定の根拠を書面にまとめる
  • 「参加費は講師費・資料代のみに充てる」等の説明で社会的意義を伝える
  • 複数の施設に並行して問い合わせ、選択肢を確保する

拙著『会社員が働きながら月30万円を稼ぐ起業法』にも「起業の『あそび』」という考え方が出てきます。セミナー会場の選択においても同じことが言えます。1カ所だけに絞ると交渉が決裂したときに動けなくなります。最初から3カ所以上の候補を持っておく「あそび」が、起業をしなやかに進める秘訣なのです。

● 質問 起業準備を始めてから半年ほど経ちますが、セミナー代・書籍代・会計ソフト代・名刺作成代など、気づけば月
起業準備で何にお金を使えばいいかわかりません。節約すべきことと投資すべきことを教えてください - 起業18フォーラム | 副業から始めて「稼ぐ力」を身に付けられるコミュニティサロン

公共施設の費用節約は魅力的ですが、そこだけにこだわると行動が止まってしまいます。許可が下りればラッキー、下りなければ次の選択肢へ。その軽やかさが、起業の最初のステージを着実に乗り越える力になります。


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記事執筆/監修:新井一(あらいはじめ)起業支援キャリアカウンセラー

起業18フォーラム代表。「会社で働きながら6カ月で起業する(ダイヤモンド社)」他、著書は国内外で全10冊。最小リスク、最短距離の起業ノウハウで、会社員や主婦を自立させてきた実績を持つ。自らも多数の実業を手掛け、幅広い相談に対応している。




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